検索ビュー ICBM(大陸間弾道ミサイル、大陸間弾道弾)

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ICBM(大陸間弾道ミサイル、大陸間弾道弾)
I. プロローグ

大陸間弾道弾、大陸間弾道ミサイルともよばれる。核弾頭をつけた、5500km以上の射程をもつ地上発射の弾道ミサイル。アメリカとロシアの間を30分で飛行できるといわれている。

ICBMは、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)、戦略爆撃機(爆撃機)とともに戦略兵器の3本柱を構成する。ほとんどが地下の固定式サイロ(発射台)に配備されているが、路上あるいは鉄道で移動できるものもある。

ICBMは、液体または固体燃料を使用するロケットブースターと、1~10個の弾頭を装備する再突入体からなる。

開発に多くの期間、人材、資金を必要とし、維持にも多額の費用がかかるため、現在はアメリカ、ロシア、中国のみが配備している。

核兵器:ロケット:ミサイル

II. 開発の歴史

ICBMの元祖は第2次世界大戦中のドイツのV-2号である。V-2号は約300kmの射程をもち、1944年9月から45年3月までの間に、およそ3200発がイギリスのロンドンおよびベルギーのアントワープなどにむけて発射された。

第2次世界大戦後、アメリカと旧ソ連はドイツからV-2号の資料をもちかえり、長距離ミサイルの研究と開発をはじめた。

世界初のICBMは1957年に完成したソ連のSS-6である。このミサイルはICBMとしての寿命は短かったが、スプートニク1号(人工衛星:宇宙探査の「無人宇宙計画」)やウォストーク1号(→宇宙探査の「有人宇宙計画」)の打ち上げロケットにつかわれた。アメリカ最初のICBM、アトラスは58年に完成した。中国は、79年にDF-5(東風-5)の最初のテストを成功させている。

III. ICBMの配備

アメリカ最初のICBM、アトラスは1959年、ミニットマンⅠは62年、タイタンⅡは63年、ミニットマンⅡは66年、ミニットマンⅢは70年、ピースキーパーは86年から配備がはじめられた。しかし最新鋭のピースキーパーは、2002年に米ロでむすばれた戦略攻撃戦力削減条約にもとづき、05年9月までにすべてが退役した。ソ連は1959年にSS-6の配備を開始してから12種類のICBMを配備した。おもなものには、SS-9、SS-16、SS-18、SS-24、SS-25、S-27がある。中国のDF-5は81年に配備がはじまった。

IV. ICBMの発達

初期のICBMはミサイル1基につき1個の大威力の核弾頭を搭載していた。たとえば、アメリカのタイタンⅡは9メガトン(TNT火薬900万t、広島型原爆750個分)、ソ連のSS-9は25メガトンである。しかし、ミサイル迎撃技術の発達により、撃墜される危険がましたこと、SALT(戦略兵器制限交渉)によりミサイルの保有数に制限がくわえられたことなどから、弾頭のMIRV化がすすめられた。

1. MIRV

Multiple Independently targetable Re-entry Vehicleの略称で、個別誘導複数弾頭のことである。ミサイル1基につき複数個の弾頭を搭載し、それぞれを個別の目標に命中させる技術である。アメリカでは1970年、ソ連では77年から配備がはじまり、ミニットマンⅢは3個、SS-18、SS-24は10個の弾頭を搭載している。中国はこの技術をテスト中であるが、まだ完成していない。

2. CEP

Circular Error Probableの略称で、半数必中界とも訳される。弾頭のうち半分が命中する半径をいう。ICBMの命中精度はCEPであらわされるが、ソ連のSS-11では1300m、SS-25で200m、アメリカのタイタンⅡで900mと、時代とともに命中精度が高まっている。

V. 現状

2005年現在、アメリカは500基のICBMを配備している。内訳はミニットマンⅢの弾頭数1個が150基、弾頭数3個が350基で、核弾頭は合計1200個である。また、ロシアは635基、中国は24基配備している。