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| II. | 先史時代の医学 |
人類は、この世界に登場して以来、つねに病気とたたかいつづけてきた。先史時代、病気は悪霊が体の中にはいっておこすものだとされていた。したがって、病気の予防とは、呪文、踊り、魔術、魔除(よ)けなどで、悪霊が体の中にはいらないようにすることだった。病気になったときは、患者の体をうちすえたり、拷問にかけたり、飢えさせて、悪霊をおいだそうとした。いまだに、呪医による治療がおこなわれている地域もある。
消毒や縫合、湿布や副木などの外科的な治療もすでにみられた。てんかんや精神の障害、頭痛には、頭蓋骨に穴をあけて(→ 開頭術)、悪霊をおいはらおうとした。開頭術は現在でも、脳の手術の際におこなわれる。薬は、下剤、利尿薬、催吐薬、浣腸剤などがつかわれていた。麻酔作用や刺激作用がある成分をもつ植物からは、さまざまな薬がつくられた。現在でもアヘンやヒヨスなどの植物からとれる薬が数多くつかわれている。