ファシズム
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ファシズム
II. ファシズムの出現

もともとファシズムという言葉は、イタリア語で「結束」を意味するfascioからきており、その語源は、古代ローマの執政官の権威の標(しるし)だった束かん(棒をたばねた間から斧(おの)の刃をみせたもの)にある。それが政治用語になったのは、1919年、ムッソリーニが組織した「戦闘ファッシ」(ファッシ・ディ・コンバティメント。ファッショはファッシの単数形)においてである。

この組織がのちにファシスト党に発展し、1922年、ローマ進軍によって政権を獲得し、ここにファシズム国家、ファシズム体制が成立する。このように、ファシズムは言葉も政治組織も、まずイタリアに生まれたから、それをあくまでイタリアに固有の歴史現象とする規定もありうるが、のちにナチスの第三帝国、スペインのフランコ体制などの出現をみたヨーロッパのみでなく、東アジア(日本の天皇制ファシズム)や、南アメリカ(アルゼンチンのペロン体制、ブラジルのバルガス体制)などでも類似の体制が続出したことをみれば、この限定は不適切であるといえる。