| ファシズム | 項目ビュー | ||||
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| III. | 出現の背景 |
ファシズムには、立憲主義と議会政治の否認、全体主義、軍国主義、急進的ナショナリズムの高唱、独裁者への個人崇拝、力の礼賛、単純な適者生存原理の信仰といった信念体系の共通性がある。
またその出現の背景には、(1)第1次世界大戦後の資本主義経済の全般的危機とロシア革命があり、(2)それらが国内にも階級対立、政治対立を激化させ、(3)この国内対立が、農民や中間階級の都市プロレタリアートへの敵意を深め、(4)その間にあって、インテリ層は無力感からニヒリズムにおちいる一方、国家の神話や人種理論などの政治宣伝(→ プロパガンダ)が、マス・メディアをとおしてくりかえされる結果、民衆の排外的熱狂があおられ、(5)軍部とむすんだ独占資本が、対外進出(侵略)によって経済危機の回避をはかるといった、共通の歴史的状況がある。
こうみるなら、第1次世界大戦後の大混乱の中で、まず最初にムッソリーニ政権を誕生させたイタリアは、ファシズムが世界史の舞台に登場する突破口であったといえるし、第1次世界大戦後の経済的破局の中で成長し、政権掌握後わずか半年で、いっきょに全体主義的独裁を樹立した(1933)ドイツのナチズムは、ファシズムの極限形態であったといえる。