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| III. | 植物の大分類 |
植物界の多くの生物種はいくつもの門にわけられ、総計約26万種ある。コケ植物は水や栄養の体内通道のための維管束のない植物3門にまたがる多様な約1万6000種からなり、蘚類、苔類、ツノゴケ類がふくまれる。コケ植物は、維管束系をもたないので非維管束植物とよばれる。よくみかける葉のような植物体は、この生物の生活環における有性世代、つまり配偶子をつくる世代である。維管束がなく、配偶子が移動するため水のうすい層を必要とするので、コケ植物は一般に小さく、湿潤な所に生育する。しかし好適な環境下では大きくなるものもあるし、ごく小さいが砂漠の生活に適応したものもある。
他の門は維管束植物類と総称される。維管束組織は、水、ミネラル、栄養の移動のための内部通道組織である。維管束組織には、水やミネラルを土中から茎や葉へおくる木部と、葉で生産された栄養を茎、根、貯蔵器官や生殖器官へはこぶ師部の2種類がある。維管束植物類は維管束が存在することのほか、茎葉のある植物体が維管束植物の生活環の中では無性世代、つまり胞子をつくる世代である点で、コケ植物とは対照的である。
維管束植物類は進化するにつれ、無性世代が大きく複雑になり、配偶子をつくる世代は退化して胞子体の組織に内包されるものになった。より大きく多様な胞子体に進化できたことと、維管束系で水をすいあげられることで、維管束植物類は地表水に直接依存する必要がなくなった。こうして、高緯度北極地域をのぞく陸上の生育域すべてで優勢になり、さまざまな動物に食物やすみかを提供することになった。