| 植物 | 項目ビュー | ||||
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| IV. | 細胞の構造と機能 |
植物の種の数が膨大であることは、個々の植物をつくっている細胞に多くのことなる型があることの反映でもある。しかし、型のことなるこれらの細胞の間にも基本的な類似性があり、この類似性がことなる植物種の共通の起源と相互関係をしめしている。個々の植物細胞は少なくともある程度独立しており、細胞膜すなわち原形質膜と細胞壁によって隣接する細胞から区分されている。この膜と壁によって個々の細胞としての機能をはたせるようになり、同時に、原形質連絡とよばれる細胞質の連絡路をとおして、周囲の細胞との連絡が可能になる。
| 1. | 細胞壁 |
植物の細胞を動物の細胞と区別するもっとも重要な特徴は、細胞壁である。植物ではこの壁によって細胞の内容物が保護され、細胞の大きさが制限される。これはまた、植物が生きていくうえで重要な構造的・生理的役割をはたし、輸送・吸収・分泌に関与する。
植物の細胞壁は何種類もの化学物質からなっており、そのうちセルロースがもっとも重要である。セルロース分子は結合して微小繊維となり、細胞壁構造の枠組みをつくる。ほかに、細胞壁の重要な構成物質として、硬さをあたえるリグニン、細胞の水がへるのをふせぐクチンやスベリンのようなろう状物質がある。多くの植物細胞には、生長中の細胞の1次壁と、生長がおわった細胞の1次壁の内側にできる2次壁の両方がある。原形質連絡は1次細胞壁と2次細胞壁の両方を貫通して、物質輸送の経路になる。
| 2. | 原形質体 |
細胞壁の内側には細胞の生きた内容物があって、原形質体とよばれる。この内容物は3層からなる1枚の膜につつまれている。原形質体には細胞質と核がふくまれる。細胞質にもまた、膜につつまれたさまざまな細胞器官(オルガネラ)や液胞がふくまれる。核は細胞の遺伝の単位である。
| 2.A. | 液胞 |
液胞は膜でつつまれ細胞液でみたされた空間である。細胞液はほとんどが水で、さまざまな糖、塩類、その他の化学物質がとけている。液胞は動物細胞にはみられない。
| 2.B. | 色素体 |
色素体は細胞小器官(器官に似た特殊化した細胞内の部分)で、2枚の膜でしきられている。重要な色素体は3種類ある。葉緑体には葉緑素とカロチノイド色素がふくまれ、それらは太陽からの光エネルギーを種々の炭素化合物の結合によって化学エネルギーとして固定するプロセス、すなわち光合成がおこなわれるところである。白色体は色素をふくまず、デンプンや油脂、タンパク質の合成に関与する。有色体はカロチノイドをつくる。
| 2.C. | ミトコンドリア |
色素体がさまざまな方法でエネルギーの蓄積に関与するのに対し、別の細胞器官に分類されるミトコンドリアは呼吸の場所である。この過程で、有機化合物から細胞の主要なエネルギー源であるアデノシン三リン酸(ATP)へ、化学エネルギーがうつされる。このエネルギーの移転は、解糖、クレブス回路(クエン酸回路)、電子伝達の3つの段階でおこなわれる。色素体と同様、ミトコンドリアは2重の膜でしきられており、内側の膜はおれまがって多数のひだになっている。このひだの表面で呼吸反応がおこる。
| 2.D. | リボソーム、ゴルジ体、小胞体 |
上記のほかに細胞質中にある重要なものは、リボソームとゴルジ体の2つである。リボソームはアミノ酸が結合してタンパク質を形成するところで、ゴルジ体は細胞からの物質の分泌にかかわる。さらに、小胞体とよばれる複雑な膜系が細胞質のいたるところをはしっており、連絡網としてはたらいていると考えられ、細胞質内のさまざまな種類の物質がこれをとおっておくられる。リボソームはしばしば小胞体とつながっており、その小胞体は細胞の核をつつむ2重膜につながっている。
| 2.E. | 核 |
核は、どのタンパク質をつくるかを指定することによって、進行している細胞の機能をコントロールする。核は遺伝情報をもち、細胞分裂のとき、それを次の世代の細胞へつたえることもする。