| 検索ビュー | 絶縁体 | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
熱や電気をつたえにくい物質の総称。
| II. | 電気絶縁体 |
電気的な絶縁体とは、まったく電気をつたえない材料である。しかし、このような材料は存在しない。絶縁体としてつかわれる材料は、わずかに電気をとおすが、電気の良導体である銀や銅と比較して、電流の流れに対する抵抗が2.5 × 1024倍も大きいという特徴がある。
よい導体となる材料は、電流に寄与する多数の自由電子をもっており、よい絶縁体は、自由電子をほとんどもっていない。かぎられた数の自由電子をもつシリコンやゲルマニウムのような材料は半導体とよばれ、トランジスターの基本材料となる。
| 1. | 絶縁材料 |
ふつうの電気配線においては、電線自身の絶縁被覆として、プラスチックやゴム、布がつかわれている。コイルや変圧器の巻線のように、ひじょうに細い電線は、エナメルのうすい膜で絶縁されている。電気装置の内部絶縁体には、雲母(うんも)やガラス繊維をプラスチック接着剤でかためられたものが使用されている。さらに、電気装置や変圧器には特別な紙がつかわれている。高圧の電力線には、磁器、陶器、ガラスでできた絶縁材料がつかわれている。
どの絶縁材料をつかうかは、用途によってきめられる。ポリエチレンやポリスチレンは高周波の絶縁につかわれ、ポリエチレンフィルムはコンデンサーにつかわれる。絶縁体は、使用中の最大温度によって選択される。フッ素樹脂(→フッ素の「フッ素化合物」)は、175°Cから230°Cの高温でつかわれる。また、ナイロンは耐摩耗性がすぐれており、クロロプレンゴム(→ 合成ゴム)、シリコーンゴム、エポキシ・ポリエステル、ポリウレタンは化学物質や湿気に対する防護となる。
| III. | 熱絶縁体 |
熱絶縁体は、温度の高い領域と低い領域との間の熱の流れをさえぎるために使用する。たとえば、蒸気や湯の配管にまかれる被覆は、周囲への熱の損失を減少させ、冷蔵庫の壁につけられた断熱材は、熱の流入をふせぎ、内部の温度を低くたもつ機能がある。
| 1. | 熱絶縁体の機能 |
熱絶縁体は、(1)熱が分子的・電子的作用で伝達される熱伝導をへらすこと、(2)空気中や液体中で発生する熱対流による流れをへらすこと、(3)放射による熱伝達をへらすこと、の3つの機能のうち1つをもっている。
伝導と対流は真空によって、おさえることができる。真空においては放射のみが熱伝達の手段となるため、表面の反射性をひじょうによくすれば、放射もまたへらすことができる。このような理由で、うすいアルミ箔をビルの壁につかったり、屋根に反射金属をつかって、太陽熱の影響を少なくすることができる。魔法びん(→ 低温学)では、真空の二重壁の内側が反射性の銀やアルミニウムで被覆され、断熱効果をあげている。
| 2. | 断熱材料 |
空気は熱をつたえにくく、熱良導体の銀よりも約1万5000倍の熱抵抗をしめし、ガラスの熱抵抗よりも30倍も大きい。したがって、代表的な断熱材料は、非金属材料で小さな空気層や気泡でみたされている。炭酸マグネシウム、コルク、フェルト、綿、鉱物繊維やガラス繊維、ケイ藻土などがその例である。アスベストは一時ひろく断熱材としてもちいられたが、健康に害があることが判明し、現在は使用が禁止されている。
| 3. | 建材と衣服 |
建材でも、中空ガラス煉瓦、断熱板ガラス(うすい空気層をはさんで2~3枚の板ガラスをくみあわせたもの)、中空のコンクリート・タイルなどがつかわれ、空気層が断熱効果をあげている。空気層が大きすぎて熱対流がおきたり、湿気がはいって導体の役割をするようになると断熱効果は少なくなる。たとえば乾燥した衣服の保温性は、繊維の間にはいりこんでいる空気のおかげであるが、湿気があると保温性はいちじるしくさがる。
家庭における暖房や空気調節の費用は、建物の適切な断熱材によって節約される。寒冷地では、ガラス繊維などで厚く断熱をするのが望ましい。熱の流れに対する抵抗の実効値は、慣用的にR値(抵抗値)でしめされているが、壁のR値は約11、天井のR値は19~31にする必要がある。
| 4. | 超断熱材 |
宇宙空間では、ほぼ絶対零度の低温から、人体や機材をまもるために、超断熱材が開発されている。超断熱材は、1cm当たりに0.005cmのアルミ被覆ポリエチレンフィルムを、うすいスペーサーをはさんで20~40層重ねたものである。