フランス
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フランス
II. 国土と資源

フランスの地形のおもな特色は、東から南にかけて山地や山脈という自然の国境がよこたわる以外は、ところどころに高原や丘陵がみられるものの、おおむね低く平らな土地が広がっていることである。東側には、南から北へアルプス、ジュラ山脈、ボージュ山地がつづいているが、フランスとイタリアとの国境をなすアルプスの山々は、多くが標高4000m以上で、その最高峰がモンブラン山(4810m)である。アルプス越えにはローマ時代からいくつかの道があるが、なかでもサンベルナール峠は有名である。1718mの最高峰をもつジュラ山脈はフランスとスイスとの国境を形成している。ボージュ山地はライン川の西岸にそい、ライン川がフランスとドイツとの国境となっている。

南側では、ピレネー山脈がスペインとの国境になっている。中央部のアネト山(3404m)を最高峰とするピレネー山脈には峠がほとんどないため、フランスとスペインとの交易は困難だった。

地中海沿いの海岸平野をへだてて、アルプスとピレネー山脈の間に広がるのが中央山地マシフサントラルである。ローヌ川の河谷によって東部のアルプスにつらなる高山地域と画され、南東部はセベンヌ山地となっている。このマシフサントラルは火山地形がみられることに特徴がある。

フランスの国土の中でもっとも広い領域を占める比較的平らな地域は、東ヨーロッパからつづくヨーロッパ中央平原の西端部にあたる。緩やかな起伏の平野で、高所でも標高200m程度。多くの支流をあつめてセーヌ川、ロワール川、ガロンヌ川などがながれ、フランスの中でもっとも肥沃(ひよく)な地域にあげられる。

フランスの川はその数200以上にのぼるが、ほとんどが運河網と接続して航行可能である。スイスとの国境にあるレマン湖をのぞくと、大きな湖はない。

海岸線は、全長3427kmにおよぶが、天然の良港は少ない。数少ない良港をあげると、セーヌ川河口に近いルアーブル、ブルターニュ半島先端のブレスト、ロリアン、ロワール川河口近くのサンナゼール、ローヌ川河口東方のマルセイユ、トゥーロン、それにイタリア国境近くのニースなどがある。

1. 気候

フランスの気候は、夏に雨が多く、冬にきびしい寒さをもたらす内陸部の大陸性気候と、夏は乾燥して暑く、冬でも温暖な南部の地中海性気候と、夏に雨が多く、一年を通じて気温の変化がそれほどない大西洋寄りの地域の海洋性気候に大別できる。南部と内陸部の高山地域では、気温などが大きくことなる。

大西洋にのぞむ海岸寄りの地方は、冬になると南西の卓越風(風)がふく。南部でも、冬になると強い北風「ミストラル」がふきあれる。内陸部ではきびしい冬と暑い夏がふつうである。年降水量は山岳地域で約1400mm、北部の平野部で約250mmと地域差が大きい。

2. 天然資源

鉱物資源では、鉄鉱石、アンチモン、マグネシウム、黄鉄鉱、タングステン、岩塩、カリ塩、鉛、亜鉛などを産出する。石炭の採掘は1960年代以降いちじるしく減少したが、天然ガスと硫黄(いおう)の生産がのびている。

3. 植生と動物

フランスの植生は、アルプスの寒冷な高地に生える地衣類、コケ植物から、オリーブ、オレンジのような亜熱帯のものまで種類に幅がある。動物については、哺乳動物(ほにゅうどうぶつ)はシカ、キツネ、イノシシ、マーモットなど93種(2000年)が生息する。渡り鳥をふくめ、鳥は269種と多種で、数も多い。魚は、沿海にタラ、ニシン、イワシなどがいる。