| 検索ビュー | ロココ様式 | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
18世紀の絵画および装飾の様式。軽快さ、繊細さ、手のこんだ装飾を特徴とする。その時期は、フランスのルイ15世の治世(1715~74)とほぼ重なっている。
正確な起源ははっきりしないが、装飾美術家ルポートルの作品とワトーの絵画にあらわれはじめた。ルポートルはパリ西郊のマルリ・ル・ロワの館の室内装飾にアラベスク模様と曲線を導入し、ワトーは牧歌的環境の中で貴族の男女がつどう場面を繊細優美にえがいて、堂々としたルイ14世様式からの決別をしめした。
| II. | 特徴 |
ロココという言葉は、フランス語のロカイユ(貝殻や小石をうめこんだ人造の岩)に由来している。最盛期の様式をもっともよくしめすのは、アラベスク模様、貝殻、複雑な曲線、非対称性にもとづく建築装飾である。絵画では、虹(にじ)色のパステル・カラーや、快活で楽天的な主題がこのまれた。代表的画家には、ブーシェとフラゴナールがいる。ブーシェはピンク色の豊満な裸体がえがかれた貴婦人の寝室場面で知られ、フラゴナールは戸外の木陰やカーテンのかかる小部屋でなまめかしい密会の約束をしている場面で有名である。装飾では、ボフランやドラメールをはじめ、多くの美術家がたずさわったパリのオテル・ド・スービーズで頂点に達した。
| III. | 影響 |
ロココは、フランス以外のヨーロッパ各国にも伝播(でんぱ)した。とくにドイツやオーストリアでは、教会などの宗教的施設をはじめ、バロック様式のあとをついでぜいたくで華麗な様式を生みだした。これはフランドルに生まれ、バイエルンの建築家で装飾美術家でもあったキュビエの作品において頂点に達した。たとえば、ミュンヘン近郊にあるアマーリエンブルクのパビリオン(1734~39)には、精巧な鏡、金銀の線細工、スタッコ装飾など、まるで宝石箱のような室内装飾がほどこされている。
やがてロココは18世紀の後半に厳格な新古典主義にとってかわられ、1789年のフランス革命以後は急速におとろえた。