化学
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化学
III. ギリシャの自然哲学

これらの考えを科学的に検討しようとした最初の文化は、ギリシャ文化であった。前約600年のタレスの時代から、ギリシャの哲学者たちは、物理的な世界の現象を神話によって説明しようとはせず、論理的に追究しようとしてきた。

タレス自身は、すべての物質の根源は水であるとし、水がかたまれば土になり、気化すれば空気になると考えた。彼の後継者たちは、この理論を発展させ、土、水、空気、火の4つの元素が世界を構成していると考えた。

デモクリトスは、これらの元素は、真空中を運動するひじょうに小さな原子からなっていると考えた。ほかの人々、とくにアリストテレスは、元素は連続した物体を形成し、真空は存在しないと信じた。ギリシャ人の間では原子論は、急速にその基盤をうしなうことになったが、しかし完全にわすれさられてしまったわけではなかった。それはルネサンスの時代に復活し、近代原子論の基礎になった(原子)。

1. アリストテレス

アリストテレスは、ギリシャの哲学者で最大の影響力をもち、彼の考えは、前323年の彼の死後2000年近くも科学の世界を支配した。彼は自然界には熱、冷、湿、乾の4つの性質が存在すると信じた。

4つの元素は、これらの性質が2つずつくみあわさって形成されると考えた。たとえば、火は熱く乾燥したもの、水は冷たくしめったもの、空気は熱くしめったもの、そして土は冷たく乾燥したものであった。このように、これらの性質がいろいろな割合でむすびついてできた元素によって地球上の物質が形成されているのである。元素にふくまれるそれぞれの性質の量を変化させることができるので、ある元素を別の元素にかえることができる。したがって、元素でできている物質を変化させること、たとえば鉛を金にかえることもできると考えられた。