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ゴミ処理
I. プロローグ

通常の人間や動物の活動により生まれた廃棄物、あるいは危険な物質を処理すること。主として固体または半固体のゴミをいい、以下のようなものがある。

生ゴミ(生分解可能な食物カス)。可燃ゴミ(分解しにくく燃焼しにくい、紙類や木材、衣類など)。不燃ゴミ(金属、ガラス、セラミックなど)。灰(石炭など固形燃料の燃えカス)。廃材(建設現場や解体現場からでるコンクリートの破片や木材など)。動物の死体。汚水処理残滓(ざんし:汚水処理の濾過物(ろかぶつ)、沈殿物、生物体ヘドロなど)。産業廃棄物(化学物質、染料、砂、電気製品、機械など)。鉱業廃棄物(鉱滓や石炭クズのボタ山)。農業廃棄物(家畜肥料、収穫物の残り)。

II. 処理方法

ゴミ処理は地方自治体によるものが一般的で、ゴミのほとんどは焼却され、分解処理の比率は少ない。処理方法の選択はほとんどコストと処理する自治体の自然条件による。

1. 埋め立て式ゴミ処理

埋め立て式ゴミ処理はもっともコストがかからないが、ゴミの発生源から輸送コストがかさまない範囲内に適切な用地がある場合にかぎられる。固体ゴミ処理の総コストの75%は収集と輸送にかかる費用だからである。現代の埋立地ではゴミをうすい層に広げ、次のゴミを広げる前にブルドーザーで圧縮する。ゴミの層が約3mほどの厚さになったら、土をかぶせてブルドーザーでまた圧縮する。表面や地下水の汚染は、処理場の区画を区切ったり、表面を圧縮して植物をうえたり、適切な土壌をえらんだり、地上排水に転換したり、出水や地下水の上昇にさらされない場所にゴミをうめることで汚染を最小限におさえることができる。埋立地では、嫌気性生物が有機性の固体ゴミを分解するためメタンガスが発生し、爆発の危険がある。これをふせぐために適切な排気をおこなう。

2. 焼却

従来の焼却炉は、耐火性の炉の中の可動式の火格子の上でゴミをやき、そこで発生する可燃性ガスと固形物を次の炉で燃焼させる。可燃性物質の場合、その85~90%が完全燃焼する。燃焼で発生するのは、二酸化炭素や水といった比較的害のない生成物と、硫黄酸化物、窒素酸化物などの大気汚染ガスである。しかし、低温度で焼却した場合に発生するダイオキシンが大きな社会問題となっている(ダイオキシン汚染)。ダイオキシンはきわめて毒性が強いことから、1997年(平成9)に大気汚染防止法の指定物質に指定され、同時に廃棄物処理法の改正により廃棄物焼却施設の構造基準と維持管理基準がさだめられた。ガス以外では飛散する灰や燃え残りがある。灰やそのほかの物質は、静電気沈殿器、袋状のフィルターなどで回収している。

3. 分解

ゴミの分解作業は、ゴミを分別して、好気性微生物で有機物を分解することである。まず再利用できるものや、分解できないものをとりのぞいて分類し、じゅうぶん分解がすすむよう細かくくだく。準備したゴミを地面の上に長くつみ重ねるか、自動処理装置にいれ、最終的には窒素やリン、カリウムが1~3%ふくまれる腐葉土に生物分解する。約3週間たったら、腐葉土に保存用の添加剤をまぜ、袋詰めにして市場に出荷する。

III. エネルギーの活用

固形ゴミからエネルギーをとりだす方法が、現在さまざまな開発段階にある。ゴミから熱をとりだすプロセスは、燃焼プロセスと熱分解プロセスの2つにわかれる。いくつもの会社が工場内のゴミを従来型の焼却炉で燃焼させ、蒸気を発生させている。自治体も燃焼室の壁に水を循環させるパイプが配管してある焼却炉で蒸気を発生させている。水が管を循環しながら燃焼室の熱を吸収して、蒸気を生みだす。ゴミ発電

乾留は、酸素をへらした大気の中で固体ゴミを熱し、化学的に分解するプロセスである。熱分解される物質の有機的な性格によって、まず水素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素をふくむガスと、その他さまざまなガスや不活性な灰になる。コークス

IV. リサイクル

固体ゴミのリサイクルは古代からおこなわれてきた。先史時代から金属の道具はとかされ、再利用されてきた。今日、リサイクルできる物質は自治体ゴミから、剪断(せんだん)、磁気による選別、重いかけらと軽いかけらをわける分級、ふるい分け、洗浄などの方法で再生される。もうひとつの再生方法にウエット・パルピングがある。ゴミ屑(くず)は水とまぜ、巨大なキッチン・ディスポーザーのようなウエット・パルパーの中で細かくくだき泥状のスラリーにする。大きな金属片やパルプ状にできないものは、パルパーからスラリーを液体遠心分離機にうつす前に磁石でとりのぞく。分離した不燃性のガラスや金属、セラミックは、それぞれ、ガラスや金属の再生システムにまわされる。そのほかの軽い物質は紙繊維再生システムにおくられる。最後にのこったものは焼却したり埋め立てにもちいられる。

自治体や民間のゴミ回収は、固体ゴミを瓶、缶、新聞紙、ボール紙、その他の再利用できるものを分別するように、ゴミをだす人に要求するようになっている。特別なトラックがこれらの分別ゴミをあつめて、運搬ステーションまたは直接リサイクル施設にはこび、焼却や埋め立てのゴミをへらしている。リサイクル

V. 危険物ゴミ

人間やそのほかの生物に危険をあたえる可能性のあるゴミには次のようなものがある。(1)自然状態で分解されず、永続するゴミ、(2)影響が環境の生態系によって拡大するもの、(3)致死的なもの、(4)のぞましくない影響が累積する可能性があるもの。危険物ゴミの一般的なカテゴリーは、有毒化学物質、可燃性物質、放射性物質、生化学物質である。形状は泥状、ガス、固形の場合がある。

放射性物質による放射線照射は、長期間にわたって生物に被害をあたえるが(放射線生物効果)、放射性物質そのものがきわめて長期間影響をおよぼす性質をもっている。放射性物質や危険物ゴミの管理は法律にしたがっているが、放射性廃棄物を永久に処理する効果的な方法はまだみつかっていない。