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| III. | ナポリのスタイル |
17世紀後半には、ナポリのアレッサンドロ・スカルラッティが新しいスタイルのオペラを考案した。ナポリの観客は独唱をこのみ、作曲家たちは歌唱の種類をさらに多くした。レチタティーボは通奏低音の伴奏によるレチタティーボ・セッコと、オーケストラの伴奏で緊張した場面にもちいられるレチタティーボ・アッコンパニャートの2つにわけられ、会話のリズムをもつレチタティーボの歌唱スタイルとともに、アリオーソとよばれるアリア的なメロディが導入された。
18世紀のはじめまでに、豊かなメロディをもつわかりやすいナポリ・スタイルのオペラがヨーロッパじゅうにひろまったが、フランスだけは例外だった。フランスでは、イタリア生まれの作曲家リュリがフランス・オペラの創始者になり、国王ルイ14世をパトロンとしていた。フランス宮廷の華麗さと豪華さは、大規模で動きの少ない合唱と挿入される楽器演奏の中に巧みに表現されている。台本にあたるリブレットはフランス古典悲劇にもとづくもので、旋律はフランス語の特徴ある抑揚とリズムを反映するものだった。リュリはまた、オペラではじめて標準的につかわれるようになるフランス風序曲の考案者としても知られる。