金(鉱物)
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金(鉱物)
VIII. 金の経済

金は近代以降の世界貿易で、国際通貨の役割をはたした。金を貨幣制度の基礎におき、政府の発行する通貨が一定量の金と交換されることを保証した金本位制は、1816年にイギリスで最初に確立され、19世紀末には多くの先進国で採用された。日本では、97年(明治30)に確立をみた。しかし、第1次世界大戦の勃発(ぼっぱつ)で、各国の金本位制は停止され、戦後、一時は復活したものの、世界大恐慌によってふたたび停止においこまれた。

第2次世界大戦後は国際連合にIMF(国際通貨基金)が発足し、当時最大の金保有国だったアメリカ合衆国の通貨、ドルが国際通貨にさだめられた。IMF体制のもとでは金1トロイオンスの交換比率は35ドルにさだめられていたが、ドルの流通量が世界的に増加し、ドルと交換可能な金の量が大幅に不足したため、1971年、ドルと金との交換は停止された。

現在、金価格は国際市場での需給関係によって決定されるが、国際的な政治・経済の動向によって大きく変動することもある。1970年代以降、金価格は上昇をつづけ、80年には1トロイオンス850ドルを記録したが、その後は下降し、96年にはいって1トロイオンス約380ドル台におちついた。

日本国内では、1973年(昭和48)に金輸入が、78年には輸出が自由化され、金取引が活発になった。82年には東京金取引所が開設されたほか、新銀行法により銀行や証券会社で金の窓口販売がはじめられるようになった。

日本の金価格は、主要地金(じがね)業者により、1g当たりで価格が新聞に公示される。ほかに、金地金ディーリング(ロコ・東京取引)が市場として急成長をとげている。これは、大手地金業者、鉱山、商社を取引メンバーとする現物取引の市場である。

元素記号Au。原子番号79。原子量196.966569。周期表(周期律)の11族に属する。モース硬度2.5。地殻中の存在量は0.004ppm。融点1064°C。沸点2808°C。密度19.32g/cm³。