| 金(鉱物) | 項目ビュー | ||||
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| IV. | 用途 |
金は人類史上、銅とならんで古くから使用されてきた金属である。前3000年のメソポタミア文明をはじめ、エジプト、スキタイ、インカなど多くの古代文明において金が利用され、装身具や容器などの金製品がつくられた。金の利用がはやくからはじまった理由としては、金のすぐれた光沢と耐食性にくわえ、天然の自然金からたやすく精錬できること、やわらかく加工しやすいことがあげられる。貨幣金属としても古くから利用されてきたが、これは金が希少価値をもつこと、こわれたり変質しないで貯蔵できることによる。
金の価値は現在でもかわらず、金地金や金貨として、国際市場で大規模に取り引きされる。各国政府や中央銀行は大量の金を保管するが、個人の財産として蓄蔵される金もかなりの量にのぼる。金の計量単位はトロイオンスで、金地金や金貨の多くはトロイオンス単位で鋳造される。1トロイオンスは31.1gに相当する。
| 1. | 装飾用 |
金は装飾用金属としてひろく利用され、各種の宝石とくみあわせて指輪やネックレスなどのアクセサリーに加工される(→ 装身具)。ただし、純金はやわらかすぎて不便なので、たいていは他の金属とまぜあわせて、硬度を高めたものを使用する。金に銅、ニッケル、亜鉛をくわえたホワイトゴールドも、装身具にひろく利用される。金をうすくのばした金箔も、美術工芸品や書籍などの装飾材料としてつかわれる。装飾用以外の用途では、歯科材料、万年筆のペン先などに、金合金が使用されている。
合金中の金の含有率はカラットでしめされる。カラット表示では、純金を24Kとして数字をわりふる(K24ともあらわされる)。代表的な金製品のカラット数は、金貨21.6K(金90%)、義歯20~22K(金約83.3~91.7%)、装身具18K(金75%)、金ペン先14K(金約58.3%)が標準である。
| 2. | 工業用 |
電気伝導率が高く、耐食性にすぐれているため、電気・電子工業用に利用される。近年、半導体の利用が拡大し、これにともなって半導体集積回路をつくるためのめっき用材料として、金がひろくつかわれている。ICチップの接合に金・シリコン合金などの低融点はんだが、また、電極の接続用に金の極細線がつかわれる(→ 集積回路)。しかし、最近ではコストダウンをはかるために、銀、銅、アルミニウムなどが代替品として利用される傾向にある。電気の接点にも金が使用されている。
金には高熱を反射する性質があるため、航空産業や宇宙産業では、金箔を断熱材としてジェット機やロケットなどに使用している。鉄との合金は、極低温領域のセンサーにつかわれている。カシウス紫金は、塩化金と塩化スズからつくられるコロイド状の紫色顔料で、ガラスや陶磁器の赤や紫の着色にもちいられる。
ほかに医薬品として、リウマチ性の関節炎に金化合物がもちいられる。また、金の放射性同位体は、癌の治療や悪性腫瘍の転移の診断に利用される(→ トレーサー)。