溶接
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溶接
III. 融接

今日もっとも一般的につかわれている溶接法である融接法は、接合箇所を溶融状態にして結合し、凝固させる方法で、ガス溶接やアーク溶接が代表的である。ほかには、テルミット溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接がある。

1. ガス溶接

ガス溶接は、アセチレンなどの燃料ガスと酸素との混合気体の火炎による、圧力をくわえない工法である。ふつう火炎温度が3000°Cほどある炎を接合される金属と、接合部で溶融する溶接棒(針金または棒状の金属)の両方にあてる。ガス溶接は、もちはこびできて電源がいらないという利点があるが、溶接速度はおそく、ひずみも大きくなる欠点がある。溶接される表面と溶接棒は、フラックスで被覆されている。フラックスは、不完全な溶接をさけるために、気化することで金属を酸化させる空気を遮断(しゃだん)するとともに、生成した酸化物を除去しやすくするための物質である。

2. アーク溶接

アーク溶接では、直流または交流の電流を必要とし、溶接する母材と電極棒間、または2本の電極棒の間に電流をながしてアークを発生させ、その熱で接合部を溶融して溶接する。溶接棒と電極棒が同じ消耗式(しょうもうしき)と炭素やタングステンを電極棒とする非消耗式とがある。とくに造船や鉄工業などでの鋼材の溶接では一般的な溶接法である。

アーク溶接は、他の溶接法にまさるいくつかの利点をもつ。高熱を集中するので作業に時間がかからない。したがって、工程中のひずみの発生がおさえられる。この方法の中には、不活性ガスをつかいフラックスのいらないものもある。もっとも広くもちいられるアーク溶接は、被覆アーク溶接、ガスタングステンアーク溶接、ガスメタルアーク溶接、サブマージアーク溶接である。

2.A. 被覆アーク溶接

被覆アーク溶接では、電極はフラックスで被覆され、電源に接続されている。溶接される金属は、同じ電源の別の端子につながれる。電極の先端がその金属にふれてひきはなされると、アークが発生する。はげしいアークの熱エネルギーが、溶接される両方の金属と、電極の先端を溶融する。20世紀初期に発達したこの工法は、おもに鋼材の溶接にもちいられる。

2.B. ガスタングステンアーク溶接

ガスタングステンアーク溶接では、被覆アーク溶接の電極にタングステンをもちいる。また、酸化作用から金属を保護するために、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスをもちいる。アークの熱が金属の接合部を溶融する。アークの中か接合部に裸のワイヤーをおいて溶接用金属をくわえることもある。この工法はほとんどすべての金属につかわれ、高品質の溶接ができる。ただし、溶接の速度はほかの工法よりおそい。

2.C. イナートガスアーク溶接

イナートガスアーク溶接では、電極は被覆されておらず、アルゴンか炭酸ガスという不活性ガスの中で作業がすすめられる。電極はアークによって溶融され、小滴となって接合部にながれおちる。

2.D. サブマージアーク溶接

サブマージアーク溶接はイナートガスアーク溶接に似ているが、溶接部やアークを外気から遮断し保護する不活性ガスを必要としない。そのかわりアークとワイヤー先端は、粒状の特殊フラックスの中におかれる。この工法は効率的で、一般的な鋼材につかわれる。

3. エレクトロスラグ溶接とテルミット溶接

エレクトロスラグ溶接は、導電性がある溶融スラグを利用する。このスラグに電流をながして高温を発生させ、その中に連続して溶接ワイヤーをおくりこみ、母材とともに溶融する。おもに板厚が25mm以上の鋼板の突合せ溶接に利用されており、縦向きで下から上へと自動的に溶接がおこなわれる。

テルミット溶接は、アルミニウムの粉と酸化鉄の混合物に点火した際の化学反応(テルミット反応)によって発生する熱をつかう。アルミニウムは酸素と化学反応して熱を発生させ、鉄を溶融する。テルミット溶接はおもに鉄の裂けめや継ぎめの溶接にもちいられる。