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III. 水のこおり方

水のこおり方はこのような水と氷の性質から説明できる。淡水の池や湖などでは、表面の水は冷やされるにつれて比重が大きくなり、底にしずんでゆく。すると、底の暖かい水が表面にうつりそこでふたたび冷やされる。これをくりかえすと、水全体の温度が4°C、つまりもっとも水の比重が大きい温度になる。さらに表面の水が冷やされ、4°C以下になると、その比重は逆に小さくなる。すると冷たい水が表面にとどまるので、氷がはっていく。水が底からではなく、表面からこおってゆくのは、このような温度による比重の変化のためである。

ところが、河川ではときどき氷が水の表面ではなく水中にできることがある。寒い冬の夜などに流れのはげしい川の表面が、ひじょうに冷たい空気と接触して、0°C以下にまで冷やされる。すると川の流れのために、このように過冷却された表面の水と底側の暖かい水がまざって、微細な針状または板状の氷の結晶が水中で生じ、スポンジ状の塊となる。この氷がながれていくにしたがって表面にうかんでくる。流れが緩やかになっているところでは氷結晶の塊が水中にとどまり、川の流れをせきとめ、洪水をひきおこすこともある。

水中でできる氷のもうひとつの例としては、河床の岩の周りにできる底氷すなわちアンカーアイスがある。これは、寒い夜などに、よく冷えた河床の岩によってその周りを流れる水が冷やされ、こおりつく現象である。昼間太陽でこの岩があたためられると、アンカーアイスの塊は岩からはがれ、川の表面にうかんでくる。