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ホウ砂(硼砂)

ホウ素の資源として重要なホウ酸塩鉱物。四ホウ酸ナトリウムともよばれる。無色または白色のやわらかい結晶。独特の甘味がある。単斜晶系(結晶)で、完全な劈開(へきかい)(鉱物学)がある。水分子を結晶内にふくむ。加熱すると膨張し、320°Cで結晶水をうしなう。水にたやすく溶解し、水溶液は強アルカリ性をしめす。741°C以上で融解するが、冷却すると無色透明なガラス状の固体になる。

カリフォルニア州、ドイツのスタッスフルト、イタリアのトスカーナ地方、チリのアタカマ砂漠に巨大な鉱床が発見されている。

ホウ砂の水溶液は、弱い殺菌作用があり、医薬品、防腐剤などにつかわれる。また、陶磁器、ほうろう、ガラスの製造にも利用される。

融解したホウ砂は金属酸化物(酸化物)を溶解するので、はんだや溶接の融剤(フラックス)としてすぐれている。ホウ砂をふくむ融剤を接合面にぬると、表面から酸化物の被膜が除去されてきれいな金属面があらわれ、金属同士の接合がしやすくなる。

化学実験では、ホウ砂球試験とよばれる溶球試験につかわれる。溶球試験は、少量の金属元素の分析をおこなうためのもので、先が輪の形になった白金線にホウ砂を付着させ、バーナーで熱してガラス状の溶球にする。この溶球に少量の金属化合物を付着させ、ふたたび熱して融解させると、複雑なホウ酸塩が形成され、金属の種類にしたがってさまざまな色に発色する。その色によって化合物にふくまれる金属を特定することができる。

化学組成Na2B4O7・10H2O。硬度2。比重1.7。