| III.
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西ローマ帝国の再興 |
800年のクリスマスに際して、カールはローマにおいて教皇レオ3世の手からローマ皇帝の冠をさずけられた。これによって、5世紀に滅亡した西ローマ帝国が復活し、カールは神の名において、西ヨーロッパ全体の政治支配者としての地位をみとめられた。カールの戴冠(たいかん)は、教皇の精神的援助によって政治支配の安定をねがうカールと、強力な政治権力の支援を必要とするローマ教皇の双方の利益にかなうものだった。ローマ教皇の宗教上のライバルだったコンスタンティノープル(現イスタンブール)の教会は、東ローマ皇帝の支配下にあった。強い政治力や軍事力をもたなかったローマ教皇は、カールをローマ皇帝とすることで、はじめて東ローマ皇帝や、その支配下にあるコンスタンティノープル教会に対抗することが可能になったのである。歴史的にみれば、ローマ教皇とカールの提携によって教会の精神的な権威と皇帝の政治的な権力の組み合わせができ、その両者がヨーロッパ社会を支配するという、宗教改革の時代までつづく西ヨーロッパ独自の仕組ができあがったことを意味した。そしてまた、この戴冠によって、かつてローマ帝国の時代には野蛮なゲルマン人がすむとされた地域が、ヨーロッパの歴史の重要な舞台として登場したのである。
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