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国際単位系
I. プロローグ

メートル法のMKS(メートル・キログラム・秒)単位系(単位)にもとづいて統一された、一貫性のある国際的に共通の単位系。1960年の第11回国際度量衡総会で、フランス語のLe Système International d'Unitésにもとづいてこの名称が採用された。国際単位系はSystème Internationalの頭文字をとって世界共通にSIといわれる。

日本では、政府は明治時代の初期からメートル法を採用した。第2次世界大戦までは日本の古い単位系である尺貫法とメートル法の両方が使用されていたが、1951年(昭和26年)には計量法という法律によって、尺貫法の廃止とメートル法の普及をさらにすすめ、60年以降はSIの内容をとりいれていった。93年(平成5年)には、計量法の全面改正があり、99年10月から取引や証明などにもちいられる単位は国際単位系(SI単位系)に原則的には統一されている。

II. 基本単位

1960年の国際度量衡総会では、6つの基本単位と2つの補助単位を採用していたが、71年、7つ目の基本単位モルがくわえられ、95年には補助単位という区分が廃止された。7つの基本単位を表「国際単位系の基本単位」にしめす。

1. 長さ(メートル)

メートルとキログラムはもともとメートル法から生まれた。国際単位系では1983年に、1メートルは光が真空中を1秒の2億9979万2458分の1の間にすすむ長さと定義されている。

2. 質量(キログラム)

メートル法がつくられたとき、質量の単位キログラムは純水が最大の密度になる温度(4.0°C)のときの純水1立方デシメートルの質量と定義されたが、のちに定義で必要とされる純粋で安定した水をつくることができないことがわかった。そのため、ある条件のもとでこの質量にひとしくなるような白金の円柱がつくられ、質量の標準となった。これは1889年に同様の質量をもつ白金・イリジウム合金の円柱におきかえられた。現在もこの円柱が国際キログラム原器であり、SIではキログラムは国際キログラム原器の質量と定義されている。→キログラムの「キログラム原器」

3. 時間(秒)

時間は何世紀にもわたって、世界各地で地球の自転をもとに測定されてきた。メートル法の時間の基本単位は秒で、かつて、地球の自転軸の周りの完全な1回転、つまり平均太陽日(日)の8万6400分の1と定義された。しかし地球の自転は時間の標準につかえるほどじゅうぶんに安定したものではないことが明らかになり、1967年に133Cs(セシウム133)原子の共鳴周波数によって再定義された。それは「133Cs原子の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の91億9263万1770周期の継続時間」で、SIにもひきつがれている。

4. 熱力学温度(ケルビン)

1960年の国際度量衡総会で採用された温度の単位は、温度定点にもとづいていた。それは水の三重点で、そこでは水の状態(状態変化)は、固体、液体、気体が平衡になっている。この定点が、273.16ケルビン(K:絶対零度)であると定義された。水の氷点(凝固点)は273.15Kであることがしめされ、これはセルシウス温度目盛(セルシウス度)で正確に0°Cである。セルシウス温度目盛は百分度目盛と同じで、18世紀のスウェーデンの天文学者セルシウスの名前にちなんでつけられた。セルシウスは水の凝固点から沸点までを100度にわける目盛を最初に提案した人である。国際的な了解のもとに、センチグレード(百分度)という言葉は、公式にセルシウスでおきかえられた。

5. 電流(アンペア)

SIでは、電流の基本単位はアンペア(A)で、真空中で1メートル(m)の間隔で平行におかれた2本の無限に細い導体間に、1メートルの長さ当たり2 × 10-7ニュートン(N)の力がはたらくときの導体をながれる一定電流と定義された。

6. 物質量(モル)

モル(mol)は1971年に、0.012kgの12C(炭素12)の中にふくまれる原子数とひとしい数の構成要素粒子をふくむ系の物質量と定義された。

7. 光度(カンデラ)

光度の単位カンデラ(cd)は、初めは白金の溶解点温度にある理想的な放射体である黒体の1平方メートル(m²)から放射される光の60万分の1と定義された。現在ではより精密に、周波数540 × 1012ヘルツ(HZ)の光を放射する光源の、放射強度が1ステラジアン(sr:立体角)当たり683分の1ワット(W)である方向における光度と定義されている。

III. 組立単位

その他のすべての量についてのSI単位は、7つの基本単位からくみたてられる。基本単位であらわされたSI組立単位の例と、科学者の名前にちなんだ名称などがつけられた、よくつかわれる組立単位を表「国際単位系の組立単位」にしめす。

SIのひとつの特徴は一貫性のある単位系ということにある。組立単位は基本単位や他の組立単位の積や比で表現することができ、数値的な要素は必要としない。その結果、ある単位では通常の使用には大きすぎたり、また小さすぎる場合がある。これをおぎなうために、メートル法の接頭語がつくられ、もちいられる。これらの接頭語を表「メートル法の接頭語」にしめす。

IV. 接頭語

接頭語は基本単位、組立単位につけて使用する。例をしめすと、ミリメートル(mm)、キロメートル毎時(km/h)、メガワット(MW)、ピコファラド(pF)などである。接頭語を二重に重ねてつかうことはしないので、基本単位のkgの場合はすでに接頭語がついているから、さらに接頭語をつけることはしないで、グラムに接頭語をつけることになっている。接頭語のヘクト(h)、デカ(da)、デシ(d)、センチ(c)はふつうメートルにつけて面積や体積をあらわすのにつかう以外は、めったにつかわれない。しかしcmは日常生活でよくつかわれている。

V. 国際単位系と併用される単位

SIには属さないが広く使用されていて、それらの使用をやめることは実用的でない単位がある。SIと併用しての使用がみとめられているそれらの単位を表「国際単位系と併用される単位」にしめす。

VI. 国際単位系ではない単位

海里やノットのように航海、航空などにかぎられた用途の単位は計量法でみとめられている。宝石のカラット、真珠の匁(もんめ)、電磁波の波長や膜厚のオングストローム(記号はÅ、10-10m=0.1nm)も同じである。また、長さのミクロン(記号はµ、10-6m=1µm)や圧力のバール(記号はbar、105Pa=100kPa)などは、SI単位と複雑な換算をしなくてもよいが、つかわないほうがよいとされている。

メートル法:度量衡