| 検索ビュー | 天然ガス | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
天然ガスは、地質時代の動植物の死骸(しがい)が分解してできたもので、石油や石炭と同じ化石燃料とよばれる天然資源のひとつである。おもに炭化水素を主成分とする可燃性のガスで、石油とともに産出される油田ガス(構造性ガス)や夾炭層(きょうたんそう:炭層を間にはさむ地層)から産出される炭田ガス、さらに石油や石炭と直接関係なく大量の地下水にともなって産出する水溶性ガス(共水性ガス)などがある。
世界じゅうでもっとも多く利用されている油田ガスには主成分であるメタンにくわえ、エタンやプロパン、ブタン、天然ガソリンなどもふくまれ、湿性天然ガスともよばれている。一方、日本やイタリアなどでは水溶性ガスが多く、新潟県の南長岡ガス田や福島県の磐城沖ガス田などで生産されている。
| II. | ガス田 |
天然ガスは、地下深くにあるかたい岩石中の微小な隙間(すきま)にふくまれているが、軽いために岩石の隙間の中を上昇する性質がある。やがて、このガスの流れをせきとめる緻密(ちみつ)な岩石層があり、さらにそれが逆さにした巨大な鍋(なべ)のような形をしていると、その下に天然ガスはたまりやすくなる。これをガス田という。天然ガスはこのガス田をみつけ、採掘してとりだされる。→ 資源探査
| III. | 天然ガスの処理方法 |
地下から産出された天然ガスは、水や二酸化炭素、砂などが混入しているため、生産プラントで処理される。まず、セパレーターで水分や砂が分離され、つづいて炭酸ガス除去設備で化学溶液をつかい二酸化炭素が除去される。最後にわずかにふくまれる水蒸気や油分などが冷凍機で除去され製品としての天然ガスが完成する。こうしてできた天然ガスがパイプラインをとおして消費者にはこばれる。
| IV. | 天然ガスの利用 |
日本における天然ガスの利用の歴史は古く、かつての越後国では地上にふきだす天然ガスを「風草生水(かぜくそうず)」とよんで利用していた。「東遊記」には臭水(くそうず:石油の原油のこと)とともに、煮炊きの燃料や部屋の照明に天然ガスを利用していた記録がしるされている。
現在、日本で利用される天然ガスの大部分は輸入されたLNG(液化天然ガス)に依存しており、電力発電用にもっともつかわれている(→ 火力発電)。また都市ガスとして一般消費される以外にも、化学工業用原料としての需要も高く、メタノール(アルコール)やアンモニア、アセチレン、化学肥料、合成繊維(→ 化学繊維)、合成樹脂など多くの製品製造に利用されている。
また天然ガスは、石油や石炭と比較して、二酸化炭素などの温室効果ガスや窒素酸化物の含有量は少なく、硫黄酸化物はほとんどふくまれていない。そのため、環境にやさしい燃料として注目をあつめている。天然ガス自動車やガス・コジェネレーション・システム(→ コジェネレーション)をはじめ、ガス空調システムや燃料電池につかう燃料として利用されている。
→ ガス:燃料