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| IV. | モノクローナル抗体 |
多発性骨髄腫(こつずいしゅ)というある種の悪性腫瘍(しゅよう)にかかっている患者の血液には、ひとつのタイプの抗体が高濃度にみられる。1970年代には、科学者たちはこれらの多発性骨髄腫細胞と抗原にさらされた組織からとったリンパ球とを融合させる方法を習得した。こうしてできた混成細胞(ハイブリドーマ)は、ある特殊な配列の抗体を多量につくること(クローン)ができる。これがモノクローナル抗体とよばれるもので、適当なハイブリドーマをえらべば、どんな異物でもそれと結合できる純粋な抗体をえることができる。
モノクローナル抗体をつかえば、特定の細胞や組織に標識をつけることができ、同一のものと確認できることから、生物学や医学での貴重な道具となった。輸血のときに血液をタイプにわけるのと同様に、移植の際にも拒絶反応がおこらないように白血球の型を決定したり、体の特定の部位にねらいをつけて薬を投与したりするのに、モノクローナル抗体を利用しようと研究がすすめられている。