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| III. | 熱力学の第1法則 |
熱力学の第1法則は、やはり日常的な言葉である熱について定義をしている。
温度のことなる2つの物体を接触させたとき、2つの物体はやがて同じ温度になる。第1法則はこの過程を、温度の高い物体から低い物体へ、熱というエネルギーの一形態が移動するためであると考える。
熱は機械的な仕事に変換したり、たくわえたりすることができるが、物質ではない。熱は仕事やエネルギーと同じくジュールを単位として測定する。
熱力学の第1法則は、エネルギー保存則である。エネルギーは無から生みだされたりなくなったりはせず、したがって系に移動した熱と系に対してなされた仕事との和は、系の内部エネルギーの増加をもたらす。熱も仕事も、系が相互にエネルギーをやりとりしている機構なのである。ただし、のちに明らかになった質量とエネルギーの同等性は、ここでは考慮されていない。
機械ではエネルギーが仕事に変換される。エネルギーなしに仕事をする機械はない。エネルギーなしに永久運動をする仮想の機械を第1種永久機関とよぶが、エネルギー保存則ではそのような機械の可能性をみとめない。熱力学の第1法則からも、第1種永久機関は不可能である。→エントロピーの「永久機関の不可能性」