蒸留
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蒸留
II. 蒸留による成分の分離

2つの成分に大きな沸点の差があれば、1回の蒸留で完全に分離することができる。たとえば、4%の固体成分(ほとんどが塩化ナトリウムである)がとけている海水の場合には、これを加熱して沸騰させ水を水蒸気にし、液化して回収すれば、容易に蒸留水がえられる。この蒸留水は、ふつうの目的に使用する場合には、ほぼ純粋な水(超純水)とみなしてかまわないが、厳密には、溶解した気体や蒸留につかった装置からの成分などの不純物をふくんでいる。さらに蒸留水は吸着力(吸着)があるので、二酸化炭素などを空気から吸着する。

液体混合物の各成分の沸点の差が小さい場合には、1回の蒸留では完全に分離することができない。このよい例が、沸点が100°Cの水と、沸点が78.3°Cのエタノール(エチルアルコール)の分離である。この2つの液体成分からなる混合物を沸騰させると、その蒸気にふくまれるエタノールの濃度は、液体の場合よりも大きくなり、水の濃度は小さくなる。しかし、エタノールはまだ純粋にはなっていない。

10%エタノール溶液(発酵でえられるアルコール濃度に相当する)を濃縮して50%エタノール溶液(ひじょうに強いウィスキーのアルコール濃度に相当する)にするためには、さらに1~2回蒸留をくりかえさなければならない。濃度95%の工業用アルコールをえるためには、さらに多く蒸留をくりかえす必要がある。