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ジェット推進
I. プロローグ

高速度の液体やガス流を後方へ噴出することによって、その反動で前方への推力をえる方法。

II. ジェット推進の原理

ジェット推進のもっとも簡単な例は、突然に空気をぬいたゴム風船である。風船の口をとじている間は、風船中の空気圧は、すべての方向でひとしい。口の部分をひらくと、その部分の空気圧がさがるので、空気が圧力差をうめるために口の部分へと急速にながれ、風船は口の部分と反対側に突進する。この場合、とびだす空気が外の空気をおす圧力ではなく、風船の中の圧力差が推力となっている。

III. ジェット推進の力学

実際のジェットエンジンは風船ほど単純ではないが、原理は同じである。ジェットエンジンでは、圧力差よりも、ジェット気流がエンジンをはなれるときの速度を、大きくすることが重要になる。そのために、気体をジェットの形で後方に高速にながすように、エンジン内部の力を強くする必要がある。ニュートンの第2法則(力学)によれば、この力は気体の運動量の増加率に比例する。ジェットエンジンに関していえば、気体の質量に、後方に噴出するジェットの速度をかけた数値に比例する。ニュートンの第3法則によれば、すべての力は大きさが同じで、向きが反対の反作用をともなうので、後方への力は、反作用として前方へむかう力を生じる。

この力が推力となるのである。したがって推力の大きいジェットエンジンは、大きな質量の流れと大きなジェットの噴出速度を必要としている。これを達成するためには、燃焼によって、エンジンの内部圧力をふやし、気体の体積をふやさなければならない。

IV. ジェット推進の利用

ジェット推進装置は、おもに高速、高高度で飛行する航空機や、ミサイル、宇宙船につかわれる(飛行機、誘導ミサイル、宇宙探査)。高速のジェット噴出速度にするため、高圧で燃焼する高エネルギー燃料をつかう。燃焼に必要な酸素はエンジンに外気をとりいれる場合もあれば、周囲の環境に左右されないように、機内や船内につみこまれている場合もある。大気中の酸素をつかうエンジンの例としては、ターボジェット、ターボファン、ターボプロップ、ラムジェット、パルスジェットなどがある。大気を利用しないエンジンは、ふつうロケットエンジンとよばれる(ロケット)。