考古学
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考古学
III. 手段と技術

考古学の作業は、次の段階にわけられる。

1. データ収集

遺跡現場での作業をはじめる前に現存する文献記録があれば、その検討が必要である。そしてさまざまな技術を駆使して遺跡の位置を測定し、確実なデータ収集をめざす。とりわけ20世紀中ごろには、航空写真が遺跡の現場設定に重要な方法となった。1970年代からは地中レーダー、地下センサー(センサー)、電気抵抗器などすぐれた新技術がつかわれるようになった。水中考古学の分野でも、水中音波探知機などが導入され、水中にしずんだ難破船や積荷などを発見する方法が大きく進歩した。

地中にうもれた遺跡の調査では、自然に堆積した地層から人工遺物をみつけるために発掘作業をおこなう。堆積する地層から遺物などのデータをえることによって、その遺跡の明確な年代を推定し、それぞれの時代の文化的体系の復元が可能となる。

発掘の目的は年代の決定と、説得力のある研究報告をおこなうためのデータ集めである。年代をきめるのにもっとも確実な方法は、きれいな層のある現場をほることだが、多くの学問分野の技術を駆使して年代決定データは収集される。こうしたデータは動物学・植物学・地質学的調査や土壌・気候の研究などの助力をうけて、しばしば生態系や環境の復元にも役だつ。

2. 年代を決定する

年代決定は考古学のもっとも重要な課題とされてきた。基本的には、あらされていない地層では下層のほうが古く、上層が新しいという層位学にもとづいて遺跡・遺物の新旧をきめる必要がある(相対年代の決定)。しかし、層位学だけが相対年代を決定する唯一の方法ではない。層の地質学的年代や同時期の動物化石や花粉・木材のような植物遺物の年代、石器や土器に代表される型式分類にもとづいて相対年代をきめるなどの方法もある。自然科学的年代決定法として炭素14法のほか、フィッショントラック法、熱ルミネセンス法などももちいられる。これらは相対比較によって年代をきめるのではなく、現在から何年前の遺物であるかを科学的にもとめるので絶対年代とよばれる。年代測定法

3. 文化的位置付けと総合的解釈

精細な発掘により、遺物や遺跡の文化的位置が決定される。その地域に、いつどのような文化がいとなまれたかという研究は、通常年代の決定にもとづいておこなわれるが、過程はより複雑である。この場合、それぞれの人工遺物は年代をきめる指標としてだけではなく、人類の活動した結果、あるいはその一部とみなされる。さまざまな学問分野の研究方法を活用して遺物の文化的位置、つまり、その時代に生きた人々の文化の内容や生態系との関係なども明らかになる。たとえばゴミ、武器などの道具類、動植物などの遺物や炉跡、住居跡から生活のようす、生態系、季節ごとの集落のパターン、交易の習慣などがわかる。墓から出る遺物や埋葬方法からは、古代のとくに親族関係、階級、身分、宗教的活動などを知ることができる。

これらのデータをもとに復元された遺跡の全体像は関連地域をふくめた全体的な文化や歴史事実、あるいは生態系と統合させるようこころみられる。これは文化的変容の原因を明確にするための有力な方法で、変化がどのようにおこなわれたかだけではなく、なぜおこったのかを明らかにする試みである。