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| XII. | 宇宙 |
ひじょうに大きいにもかかわらず、銀河系は宇宙に存在する銀河のうちのひとつにすぎない。アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルの研究によって、渦巻星雲についての疑問が1924年にフリードマンの理論で解決された。それらひとつひとつが、ひじょうに遠くにある、私たちの銀河系と同じような銀河だったのである。これらの銀河には、銀河系のように渦巻形をしているものや、そのほか楕円形や不規則な形のものもある。ハワイのマウナケア山にある世界最大のケック望遠鏡(口径982cm)は、数十億光年先にある銀河からやってくる光をとらえた。→ マウナケア天文台:天文台
遠くの銀河からやってくる光をスペクトル分析したところ、星は地球で知られているものと同じ化学元素でつくられていることがわかった。また思いがけないことに、ほとんどの銀河が銀河系から遠ざかっていることもわかった。遠くの銀河ほどはやい速度で遠のいていたのである(→ ドップラー効果)。これは、宇宙が膨張しており、宇宙はビッグバンとよばれる爆発によってひじょうに熱く濃い物質の状態からはじまったことをしめす証拠であると解釈されている(→ 宇宙論)。どのような状況で爆発がひきおこされたかは、1980年代初期に発表されたインフレーション理論で説明される。ビッグバンの放射は、そのとき以来、温度がさがりつづけ、現在では絶対温度で約3度になっている(絶対0度は摂氏-273.15°C)。あらゆる方向からやってくるこの温度の放射が、1965年にアメリカの物理学者アルノ・ペンジアスとロバート・W. ウィルソンによって発見され、現在、初期宇宙の歴史をもっともよくしめすとされている。アインシュタインの重力の一般相対性理論もまた、ビッグバン理論を支持している。
電波望遠鏡によって1963年に確認されたクエーサーは、ひじょうに遠くにある銀河の活動的な核である、と大半の天文学者は考えている。理由はまだわかっていないが、クエーサーは周りにある銀河の光をかくしてしまうほど明るくなった。クエーサーは極端に遠くにある銀河団の中で発見されることが多い。クエーサーのスペクトル線は赤いほうへのずれ(→ 赤方偏移)をしめしており、これらの天体が光速に近い速度で私たちの銀河から遠ざかっていることをものがたっている。見かけの速度が大きいということは、それらが天体の中でも、もっとも遠くにあることを意味している。120億光年はなれた位置にあるクエーサーが、91年にパロマー山天文台(→ ヘール天文台)の口径508cmの反射望遠鏡で発見されている。