ギリシャ
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ギリシャ
II. 国土と資源

自然の景観で名高いギリシャの国土は山がちで起伏がはげしく、海岸線はいりくんでいて岬や入り江が多い。小国ながら地形は変化にとんでいる。山がちな中西部、乾燥し日当たりのよい平原と低い山々がつらなる北東部、古代ギリシャがさかえた中央部と本土の南東にある半島、南西部を占めるペロポネソス半島、そしてエーゲ海の島々などである。

中西部はピンドス山脈が南北にはしる山岳地帯で、国内でもっとも起伏にとむ隔絶された地域であり、人はほとんど居住していない。最高峰のオリンポス山(2917m)は古代には神々のすみかとされていた。アッティカとよばれる東南端は山々の稜線(りょうせん)により、渓谷と平地に分割されている。中部のテッサリアは山々にかこまれた肥沃(ひよく)な平野である。北部のマケドニアにも大きな平野が広がる。その東方のトラキアは、山、渓谷、沿岸部の平野など多彩な地形からなる。

本土の沿岸部は浅瀬で、海岸線が複雑だが良港にめぐまれず、サロニコス湾が最良の投錨地(とうびょうち)となる。とくにアテネ近郊のピレウスは天然の良港として知られる。エーゲ海の島々は一般に高度が高く起伏にとみ、岩だらけで乾燥しているため、経済活動は制限される。しかし、すぐれた景観と歴史的遺跡にめぐまれ、観光地として名高い。また戦略上、重要である。

1. 気候

おおむね地中海性気候に属し、低地では夏は暑く乾燥し、冬は雨が多い。山地は寒く、夏の間は雨が多い。低地で霜や雪はまれだが、山地は冬の間、雪におおわれる。降水量は地域差が大きい。アテネでの年平均気温は約18°Cで、もっとも寒い1月の平均気温は約10°C、もっとも暑い7月の平均気温は約28°Cである。

2. 植生と動物

植物の種類は多岐にわたっている。標高が約500mまでの地域ではオレンジ、オリーブ、ナツメヤシ、タバコなどが生育する。標高約100~500mの間の地域では、落葉樹と常緑樹の森林やチューリップ、ヒヤシンス、ゲッケイジュがみられる。アネモネなどの野生の花は約1200m以上の高地にそだち、標高約1500m以上になるとコケ植物や地衣類しかみられない。

野生動物ではイノシシ、ヨーロッパクロクマ、オオヤマネコ、ジャッカル、シャモアなどの哺乳類(ほにゅうるい)が95種類(2000年)生息している。鳥類ではタカ、ペリカン、シラサギ、キジ、ヤマウズラなど251種がいる。

3. 天然資源

耕地は国土の29.2%(2005年推計)にすぎない。残りの大半は不毛な山岳地域となる。ほとんどの地域の土壌は岩石質で、乾燥しているが、地中海性の肥沃な赤土など多様な土壌の小さな渓谷が散在する。石灰岩質の山からは良質な大理石を産出する。古代には豊富だったと思われる森林は、大部分が伐採されており、伐採による土地浸食が再緑化を困難にしている。

経済価値の高い天然資源にさほどめぐまれず、開発のすすんでいない鉱物資源も多いが、石油と天然ガスはエーゲ海のタソス島付近の海底に埋蔵され、ボーキサイト、褐炭、マグネサイト、鉄鉱石などは豊富である。周辺海域に多種の魚が生息するが、数が豊富な魚種はかぎられている。