| ギリシャ | 項目ビュー | ||||
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| VI. | 環境問題 |
1970年代における急速な工業化により大気汚染が発生し、社会問題となった。なかでもアテネは深刻で、82~89年の間に政府はアテネに19回も大気汚染の非常事態を宣言したほどである。スモッグは人体に呼吸器疾患をもたらすだけでなく、大理石などを浸食し、多数の古代彫刻や遺跡に染みをつけ変色させた。近年、暖房や工場による大気汚染は減少したが、ディーゼル排気粒子などは今も大気汚染源である。政府はとくに汚染レベルの高い日を中心に車の市内乗り入れを制限し、なるべく汚染作用の少ない乗り物をつかうよう奨励している。太陽熱をエネルギーにかえる太陽熱集熱器(→太陽エネルギーの「太陽熱エネルギーの利用」)の導入も大気汚染防止に役だっている。
ギリシャのかかえるもう1つの問題は、水質汚濁である。アテネなど大都市の下水にくわえて、工場から出される廃棄物が、ほとんど未処理のまま、サロニコス湾やテルマイコス湾に流出している。ギリシャの水質汚濁は、そのまま地中海の汚染につながる。1970年代に国連環境計画が提案した地中海行動計画が功を奏して、ギリシャ近海の水質汚濁の速度は緩やかになった。またギリシャの多数の湿地帯も農業排水や生活排水で汚染されており、さらに状態が悪化する恐れがある。これらの中には保全計画で指定されている湿地帯もある。