ロマン主義(美術)
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ロマン主義(美術)
II. 18世紀の背景

ロマンティックという言葉は、18世紀のイギリスにおいて一般的につかわれるようになった。本来は「ロマンスのような」という意味で、中世の物語の伝奇的・空想的な特徴をあらわしていたが、あらあらしい光景、「崇高な」眺望、廃墟などを愛好する趣味があらわれはじめ、美的理論にもそれが反映して、美に対するものとして崇高さが強調され、ロマンティックという言葉も、そうした傾向とむすびつけて考えられるようになった。たとえば、イギリスの作家で政治家でもあったバークは、「美」を優美と調和、「崇高」を広大さ、曖昧(あいまい)さ、恐怖をよびさます力であるとした。

また、18世紀の間に、感情は、文芸においても行為の規範としても、理性よりも重要であるとみなされるようになった。こうした態度は、フランスの作家・思想家のルソーの著作に典型的にしめされている。イギリスとドイツのロマン主義の詩はすでに1790年代に登場し、その世紀の末までに感情と想像力への重点の移動は、イギリスの画家詩人ブレークの幻想的な挿絵、ブレークの友人でスイス生まれの画家フュッスリのおもくるしい悪夢のような絵画、スペインの画家ゴヤの陰鬱(いんうつ)な怪物の銅版画などの美術にも反映されるようになった。