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| IV. | ドイツ |
ドイツ・ロマン主義の詩や哲学と同様に、ドイツ・ロマン主義絵画は、自然は神的なものの表れであるという考えにささえられていた。こうした考えによって、ルンゲの神秘的・寓意的な絵画にはじまる象徴的風景画の流れが生まれた。この流れを代表するドイツ・ロマン主義の巨匠はフリードリヒである。平明で繊細なスタイルでえがかれたフリードリヒの瞑想的作品は、そこはかとない神秘的感情とメランコリックな孤独や隔絶感の間をさまようような風景画である。「氷海」(1824)では、巨大な氷塊がつみかさなった下に、難破船の残骸がのぞいている。人間の野望に対する自然の勝利の記念碑を思わせるこの作品には、彼のロマン主義的ペシミズムがきわめて直接的に表現されている。
ドイツ・ロマン主義絵画のもうひとつの流れとして、ナザレ派とよばれるグループがある。ナザレ派は中世の宗教美術の精神と様式をとりもどそうとした。その代表的画家はオーバーベックである。ドイツ・ロマン主義の伝統につらなる画家の中で注目されるのは、絵の題材をドイツの神話やおとぎ話からとったシュウィントである。