ロマン主義(文学)
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ロマン主義(文学)
III. ロマン主義の展開

ロマン主義は、18世紀の末、ドイツとイギリスにおいて、他に先駆けて成立した。

1. ドイツ

ドイツのロマン主義は、1790~1800年に、ティーク、ノバーリス、シュレーゲル兄弟(A.W.フォン・シュレーゲル:F.フォン・シュレーゲル)たちを中心に台頭してきたイエナのグループからはじまる。この時期、ロマン主義は、知性的、未来志向的、普遍的な傾向をもっていた。

1804年までにイエナのグループは離散し、まずハイデルベルク、ついでベルリンがロマン主義の中心となる。この時期の代表的な作家は、アルニム、フケー、シャミッソー、ホフマンである。イエナのグループにくらべると彼らは、情緒的、歴史的、民族的な色彩が強い。

1830年代のフランスの七月革命を境に、ドイツのロマン主義は、「ビーダーマイヤー」とよばれる小市民的で節度ある傾向と、ハイネに代表される社会批判の方向へとわかれていく。ドイツ文学の「ロマン主義」

2. イギリス

イギリスでは、ロマン主義は、ワーズワースとコールリジの共著「抒情歌謡集」(1798)の出版をもってはじまる。初期の代表者は、ワーズワース、コールリジ、サウジーなどの湖畔詩人たちである。

ついで、ナポレオン戦争をへて、バイロン、シェリー、キーツたちが台頭し、イギリスのロマン主義は頂点に達する。とくにバイロンの因習破壊的な詩とスコットの歴史小説はヨーロッパ大陸にも大きな影響をあたえた。

1820年以後、ロマン主義は、産業革命の急速な進展と、それに対応したベンサムやミルを代表とする功利主義の台頭によって、しだいに衰退していく。イングランド文学の「ロマン主義の時代」

3. フランス

フランスでは、ロマン主義の本格的な高揚はドイツやイギリスとくらべてややおくれる。まず19世紀の最初の20年にシャトーブリアンとスタール夫人が活躍し、ロマン主義的な文学がうけいれられる素地をつくっていく。

つづく1820~30年の文学的論争の時期をへて、30年のユゴーの「エルナニ」上演の成功でもってフランスのロマン主義は決定的な勝利をおさめる。この時期、演劇、詩、小説のさまざまな分野で傑出した才能をしめしたユゴーを筆頭に、抒情詩にひいでたラマルティーヌ、独自の才能を発揮したスタンダール、バルザック、ジョルジュ・サンド、幻想的な小説を書いたノディエ、ネルバル、ゴーティエたちが輩出した。

しかし、1840年を絶頂としてロマン主義はおとろえていき、50年代には写実主義にとってかわられる。フランス文学の「ロマン主義運動」

4. イタリア、ロシアなど

ロマン主義はヨーロッパのほとんどの国々でみられた現象である。イタリアでは詩人マンゾーニとレオパルディ、ロシアではプーシキン、レールモントフ、ゴーゴリ、アメリカではポー、クーパーなどをロマン主義の作家、詩人とみなすことができる。