ソクラテス
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ソクラテス
II. 政治に対する態度

ソクラテスはアテネの法にしたがったが、彼のいわゆる「鬼神(ダイモン)」が発する警告をまもって、政治にはかかわらなかった。各人が自分の魂をみまもることの大切さをアテネ人たちにおしえることで、自分の国に奉仕できると考えていた。彼は1冊の本も書かなかったし、哲学の学派もひらかなかった。

彼個人に関して知られることはすべて、哲学者プラトンと歴史家クセノフォンの2人の著作による。プラトンはソクラテスを主人公にした作品の中で、しばしば自分自身の見解をソクラテスの口をかりてかたっているし、クセノフォンはソクラテスの教えをほとんど理解していない。プラトンがえがくソクラテスは、自らは無知を告白して相手に質問をあびせ、巧みに議論をリードしていって、最後には相手の知識があやふやなことを暴露してしまう(無知の知)。このような皮肉ともいえる方法で公衆の面前でやりこめたため、ソクラテスに反感をもつ人もあった。