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カルシウム
I. プロローグ

単体では、銀白色の反応しやすい金属元素。自然界には金属単体の形では存在しないが、化合物として多量に存在する。イギリスの化学者ハンフリー・デービーは石灰(酸化カルシウム)が金属酸化物であることをつきとめ、1808年に電気分解により金属カルシウムを分離した。

元素記号Ca。原子番号20。原子量40.078。周期表2族のアルカリ土類金属。融点842°C。沸点1503°C。地殻中存在量は41000ppm。安定同位体(同位体)の質量数と存在比は40Ca(カルシウム40:96.941%)、44Ca(44:2.086%)、42Ca(42:0.647%)、48Ca(48:0.187%)、43Ca(43:0.135%)、46Ca(46:0.004%)。

II. 性質と存在

カルシウムには安定同位体が6種あるが、40Ca(カルシウム40)がもっとも多く、97%を占める。ほかに半減期が163.8日の45Caや4.536日の47Caなどの放射性同位体もある。金属カルシウムは、うちのばして箔(はく)にすることができる(延性)。また、空気にふれるとすぐに黄変する。

自然界でのカルシウム化合物としては、方解石、大理石、石灰岩、チョーク中に炭酸カルシウムCaCO3として、雪花石膏または石膏中に硫酸カルシウムCaSO4として、蛍石中にフッ化カルシウムCaF2として、リン鉱石中にリン酸カルシウムCa3(PO4)2として存在する。

カルシウムは、乾燥した冷たい空気中では酸化されにくいが、加熱するとハロゲン、酸素、硫黄、リン、水素、窒素とはげしく反応して化合物になる。カルシウムは温水とはげしく反応し、水素を発生して水酸化カルシウムCa(OH)2を形成する。

III. 用途

金属カルシウムは、融解塩電解法と熱還元法でつくることができる。ジルコニウム、クロム、ウランなどの酸化物から金属をつくる際の還元剤としてつかわれる。鉛との合金は鉛をかたくするので軸受に適し、鉛蓄電池(電池)の電極材料につかわれ、鉛被覆ケーブルの外装として耐久性にすぐれる。カルシウムは石灰、セメント、モルタルなどの中に化合状態で存在する。人体中では、歯や骨の主成分であるほか、カルシウムイオンCa2+は筋収縮や神経の興奮伝達、血液凝固(血液)に重要な役割をはたしている。