塗料
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III. ペンキの化学成分

最近のペンキ成分は、いくつかことなる化合物からできている。展色剤は粘着性で薄膜状の塗膜を形成し、顔料は展色剤の中に分散され仕上げ薄膜に色をつけ被覆する。溶剤または希釈液は、塗膜がぬられた直後から蒸発し、最後に完全になくなる。展色剤には、乾性油がつかわれることが多い。

1. 展色剤

展色剤が合成樹脂(樹脂)の場合は、溶剤の中に分散していて、溶剤が蒸発するにつれて、高分子が相互に接触し、網状の分子構造になる。固化は、ドライヤーとよばれる触媒が、溶媒中に存在することにより重合が促進される。もっとも広くペンキの展色剤につかわれるポリマーの形は、アルキド樹脂である。それはグリセロールのような多価アルコールとフタル酸のような多塩基性酸(塩基性)のポリエステルである。そのほか、セルロースの重合が分解され、硝化された小さい分子が再重合されたニトロセルロース、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリウレタンなどがある。レーヨン

2. 顔料

ペンキにはいる顔料は、微細な粉であり、それらは光を強く散乱したり、特定の波長を吸収して色をだす。代表的な白色顔料は、二酸化チタンのような無機酸化物(酸化物)、酸化アンチモン、酸化亜鉛などである。ほかには、硫化亜鉛、白鉛(鉛の水酸化炭酸塩、水酸化硫酸塩、水酸化リン酸塩または水酸化ケイ酸塩)および硫酸バリウムがふくまれる。代表的な有色顔料としては、酸化鉄(黄、赤または茶色)、酸化クロム(緑)、四三酸化鉛(赤)がある。鉛、亜鉛、ストロンチウムおよびニッケルのクロム酸塩は、さまざまな明度の黄とオレンジ色をつくりだす。ほかの色には、各種の有機物がつかわれる。

3. 溶剤

乾性油をつかった油性ペンキ用の溶剤または希釈剤は、一般に、10個の炭素原子をもつ環状炭化水素の混合物であるテレピン油である。また、希釈剤は石油から抽出された適切な揮発性成分である。ほとんどの合成展色剤用の溶剤は、アルコール、ケトンまたはエステルである。

4. 特殊ペンキ

エナメルペンキは、酸化亜鉛とリソポン(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物)という白色顔料、茶色の亜麻仁油および上質ワニスでできている。蛍光ペンキは、バリウム、ストロンチウム、カルシウムの蛍光性の硫化物をふくんでいる。水彩絵具としては、乾燥した固形またはしめった状態のいずれかで、どちらの場合も、アラビアゴムまたはデンプン質の糊(のり)に微粉末の顔料を分散させ、水分を保持して材料への密着をよくするために、グリセリンがくわえられる。

ほかのペンキとしては、1949年に開発された水性ラテックスペンキ(ラテックス)がある。合成展色剤は乳化されて、ごく微細な小滴となって水中に浮遊する。ペンキがかわき水分は蒸発し、顔料と展色剤粒がしだいに結合して、強固な薄膜を形成する。薄膜は湿気の通過を許容する。多くのラテックスペンキの使用は内装用に制限され、においがなく、つかいやすいために、広く使用される。

いくつかの用途では、固形乳剤ペンキまたは粉末上塗りが、液体ペンキにかわってつかわれるようになった。それらは、機械や窓枠などの金属表面にふきつけ、静電気で付着させ、熱で粉末を流動させて薄膜を形成する。