| 塗料 | 項目ビュー | ||||
| 印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。 | |||||
| V. | ワニスと漆 |
ワニスは英語のvarnishからきた言葉で、塗装して乾燥すると、透明な被膜をつくる塗料を総称してつかわれることもあるが、大きく2種類の透明な塗料をいう。そのひとつは、油ワニスで、乾性油、樹脂を加熱し、溶剤にとかして製造される。もうひとつのスピリットワニス、樹脂ワニスまたは酒精ワニスとよばれるものは、シェラック、マニラコーパル、ロジンなどの天然樹脂をアルコール系の揮発性溶剤にとかしたものである(→ ラックカイガラムシ)。
日本のウルシからは、ウルシオールをふくむワニスがえられる。ウルシ科の植物ウルシの樹皮に形成層まで達する傷をつけ、しみだしてくる乳白色の樹液をあつめたものが生漆(きうるし)である。盛夏から9月中にかけてとられるものを盛漆(さかりうるし)といい、収穫量が多く、水分が少ないので、良質とされている。塗料としてつかう漆は、生漆を38~40°Cに加熱したまま数時間おいてできる黒目漆(くろめうるし)に亜麻仁油や顔料をくわえたものである。縄文前期の遺跡からも、漆をつかった木製の容器や弓などが発掘されている。
顔料と、希釈した添加物がくわえられることもある。こうしてえられた物質は、木、金属または陶磁器製品のうすい上塗りとして利用される。かたいときは、被覆を研磨剤でみがき、それに上塗りをする。輪島塗などの高級漆器は、30回以上の上塗りがほどこされる。