スペイン
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スペイン
II. 国土と資源

国土の外縁部の約88%を海にかこまれており、海岸線の長さは4964kmにおよぶ。北部のピレネー山脈はフランスおよびアンドラ公国との国境をなし、ビスケー湾から地中海まで約435kmにわたってつらなる。南端は、ジブラルタル海峡がアフリカと間をへだてているが、最短距離は13kmにみたない。

地形的には、メセタとよばれる広大でほとんど樹木のない中央高原が国土の大部分を占める。メセタは北から南、また東から西にむかってしだいに低くなり、平均標高は610mで、グアダラマ山脈、グレドス山脈、トレド山地などの不規則な形状の山脈を境に南北2つにわかれる。山あいの狭い谷からは急流がいくつもながれでている。

海岸平野は狭く、幅30kmもない所が多い。各所で山が海にむかってせりだし、岩質の岬をつくって海岸平野を寸断する。大西洋に面する北西部の海岸、とくにガリシアの海岸は、良港にめぐまれている。地中海にのぞむ随一の良港はバルセロナである。大きな山脈が6つはしり、ピレネー山脈のアネト山(3404m)、シエラネバダ山脈のムラセン山(3477m)など、それぞれ標高3300mをこえる山がある。海外の領土と島々をふくめた全スペインでの最高峰は、カナリア諸島テネリフェ島のテイデ山(3715m)。

ドゥエロ川(ポルトガルではドウロ川)、ミーニョ川、タホ川(テージョ川)、グアディアナ川はスペインに源を発し、西流してポルトガルをへて大西洋にそそぐ。南部の肥沃(ひよく)な平原をながれるグアダルキビル川は水深が深く、かつては中南米貿易の船がセビーリャまで遡航(そこう)していた。北東部をながれ地中海にそそぐエブロ川では、一部の区間で小船舶が航行できる。河川の多くは川幅が狭くて船舶の航行にはむかず、地平面よりもかなり低い所をながれるため灌漑(かんがい)にも利用しにくいが、電力の供給源として役だっている。

1. 気候

スペインの気候は気温の変化がはげしいことを特徴とする。北部の山地をのぞいて一般に降水量が少なく、年降水量は610mmほどである。変化にとむ地形のため、気候の地域差も大きい。ビスケー湾および大西洋岸沿いは気候がほぼ一定で、湿潤、冷涼である。中央高原の夏は乾燥がいちじるしく、ほとんどの小河川がひあがり、土地はかわききって、しばしば干ばつにみまわれる。

マドリードでは冬の寒さがきびしく、周辺の小河川が凍結する。セビーリャでは夏の気温が50°Cにもなる。南部の地中海沿岸は亜熱帯気候をしめし、南端のマラガの冬の平均気温は14°Cである。

2. 植生と動物

森林におおわれているのは国土の35.4%(2005年推計)で、とくに北西部に多い。常緑のオークが各地に自生する。コルクガシが多く、コルクの採取のため10年ごとに皮をはぐ作業がおこなわれる。オリーブの栽培が盛んで、乾燥した土壌ではブドウが栽培される。アフリカハネガヤも豊富で、製紙や繊維産業に利用されている。地中海沿岸では、オレンジ、レモン、イチジク、アーモンドなどがみられる。

野生動物は、オオカミ、オオヤマネコ、キツネ、イノシシなどの哺乳類が82種(2000年)生息する。鳥類(278種)や昆虫類も種類が多く、山あいの川や湖にはマスやコイがすむ。

3. 天然資源と土壌

スペインでもっとも価値のある天然資源は土壌で、耕作可能の土地が国土の37%(2005年)を占める。中央高原はなかば乾燥の赤褐色土壌で、南部や北東の沿岸部は赤色の地中海土壌でおおわれている。南東部では灰色の砂漠状の土壌となる。北部の森林は灰褐色の森林土でおおわれており、カンタブリア山脈では、分解されにくい落ち葉などが堆積(たいせき)してできる有機物層の土壌ポドゾルがみられる。

鉱物資源も豊かで、無煙炭、褐炭、鉄鉱石、ウラン、水銀、亜鉛などのほか、石油、天然ガスも埋蔵されている。炭田は北西部のオビエド周辺に、鉄鉱床はサンタンデル、ビルバオ付近にある。