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| III. | 潜熱 |
物質の状態は固体、液体、気体のいずれかの相をとるが、純粋な物質での相の変化は、きまった温度と圧力でおこる。固体から気体への変化は昇華といい、固体から液体への変化は融解、液体から蒸気(気体)への変化は気化とよばれる。もし圧力が一定なら、この変化は一定の温度のときにおこる。相の変化をおこすのに必要な熱を潜熱という。したがって昇華のため、融解のため、気化のために必要な潜熱は、それぞれ昇華熱、融解熱、気化熱とよばれている。→ 相転移
たとえば、ふたのない容器に入った水が1気圧のもとで沸騰した場合、熱をいくらくわえても水の温度は100°C以上にはならない。水の温度をかえないのに相の変化につかわれた熱量が潜熱である。水を蒸気にかえるためについやされ、そのあとは蒸気のエネルギーとしてたくわえられているのである。そのエネルギーは、蒸気が水に凝結(→ 凝縮)するときに、ふたたび解放される。同じように、水と氷の混合物をコップの中で熱すると、すべての氷がとけるまで温度はかわらない。吸収された潜熱は、氷の分子をむすびつけている力にうちかつためにつかわれ、そのあと水のエネルギーとしてたくわえられている。水1gをとかすために6.01kJ/molの熱量が必要であり、水1gを100°Cで蒸気にするのには40.66kJ/molが必要である。