同位体
印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。
同位体
IV. 同位体探索の歴史

1906年にアメリカの物理学者バートナム・ボルトウッドは、当時イオニウムとよばれていた放射性元素がトリウム(Th)の放射性同位体230Th(トリウム230)であることを発見した。12年には、イギリスの物理学者トムソンがネオン(Ne)に、質量数20の20Neと質量数22の²²Neの2つの安定同位体があることを、電磁場を利用した実験でしめした。さらにその後、自然界には21Neという同位体も存在していることがわかった。

同位体に関する研究は、イギリスの物理学者アストンなど、多くの科学者によってひきつがれ、質量分析器などの発展にともない、同位体の検出や研究がさらに促進された。現在では、ベリリウム(Be)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ナトリウム(Na)、フッ素(F)などをのぞく、ほとんどすべての元素が2つ以上の同位体混合物として自然界に存在していることが知られている。

周期表で原子番号83のビスマス(Bi)以降の元素の同位体はすべて放射性同位体である。ただし、原子番号6の炭素(C)の14C(半減期:5.730×10³年)や、原子番号19のカリウム(K)の40K(半減期:1.277×109年)のように原子番号がビスマスより小さな元素でも放射性同位体があるものも存在する。現在、1900種類以上の核種が知られているが、自然界では安定同位体が約280種存在する。

人工の放射性同位体は、1934年にフランスの物理学者ジョリオ・キュリー夫妻によって、はじめてつくられた。人工の放射性同位体は、中性子や電子、陽子、アルファ粒子(a粒子)や重イオンなどを、加速器をもちいて標的となる原子に衝突させてつくられる。