塩素
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塩素
I. プロローグ

常温では黄緑色の気体であるハロゲン元素のひとつ。塩素気体(以下、塩素)はプールの消毒剤でなじみのある独特の刺激臭があり、有毒で、濃度が高いと危険である。高濃度の気体は、喉(のど。咽頭:喉頭)や鼻、肺などの粘膜に作用して充血や呼吸困難をひきおこすことから、第1次世界大戦中には毒ガスとしてつかわれた。生物化学兵器

1774年にスウェーデンの化学者カール・W.シェーレが二酸化マンガン(酸化マンガン(IV))MnO2に濃塩酸HClをくわえて加熱することで、塩化マンガン(II)MnCl2と水H2O、気体の塩素Cl2をはじめて分離したが、当時は塩素は化合物であると考えられていた。

MnO2 + 4HCl → MnCl2 + 2H2O + Cl2

1810年に、イギリスの化学者ハンフリー・デービーが元素であることを立証し、ギリシャ語の黄緑色をあらわすクロロスにちなんで名づけた。

元素記号Cl。原子番号17。原子量35.453。融点-100.98°C。沸点-34.05°C。周期表の17族のハロゲン元素。密度は気体が3.214kg/m³(0°Cのとき)、液体が1.56g/cm³(-33.6°C)、固体が2.2g/cm³(-273°C)。地殻中存在量は全元素中20位で、130ppm。