オーストリア
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オーストリア
II. 国土と資源

オーストリアは山が多く、平均標高は910m。国土のほとんどは東アルプスに属する。主要な山脈は東西方向にはしっており、それぞれの山脈は大きな谷によってへだてられている。もっとも北の山脈群には、バイエリッシュアルペンとキッツビューエルアルプスがあり、中央の山脈群の中のホーエタウエルン山脈には、同国最高峰のグロースグロックナー山(3797m)がそびえる。

最南の山脈群には、エッツタールアルプス、ツィラータールアルプス、カルニックアルプス、カラバンケン山脈がふくまれる。こうした東西方向にのびる山脈のほかに、南北方向にはしる山脈もある。山脈には、ブレンナー峠やゼンメリンク峠などの峠が随所にみられる。

オーストリアの主要地域は北部と東部の国境地帯で、北部は起伏の緩やかな丘陵地帯、東部の国境地帯はドナウ川流域にあたる。

1. 河川と湖

代表的な河川はドナウ川である。ドナウ川は、ドイツのパッサウからオーストリアに入って南東方向へながれ、リンツとウィーンをへてスロバキアのブラチスラバにいたる。ドナウ川の支流には、イン川、トラウン川、エンス川、イブス川がある。南部の主要河川は、ムール川とミュルツ川である。

オーストリアには湖も多く、ドイツとスイスとにまたがるボーデン湖(コンスタンツ湖)、ハンガリーに隣接するブルゲンラントのノイジードラー湖が知られる。ノイジードラー湖の標高は115mで、同国の最低点となっている。

2. 気候

気候は標高や局地風の性格によってことなる。さらに、大西洋、大陸、地中海のどの影響をうける位置にあるかによってもちがってくる。山岳地域の一部は大西洋の影響下にあり、東部の低地よりも降水量が多い。国内を通じて、春と秋は一般に温暖である。夏は短いが適度な気温である。

河谷地帯では、寒くきびしい冬が約3カ月間つづくが、フェーン(フェーン現象)とよばれる南からのあたたかい乾燥した風がふくとおわる。フェーンはしばしば霧を生じ、雪崩(なだれ)の原因となる急激な雪解けをおこすが、これによって南部の河谷ではやくからの耕作が可能となるため、農業に貢献している。

オーストリア全体の年平均気温は約7~9°Cである。年降水量は、ウィーンで607mm、インスブルックで870mm、河谷部では1520~2030mmに達する所もある。

3. 動植物と天然資源

標高の低い地帯はブナ、オーク、カバノキなどの広葉樹林帯で、それより高所には、トウヒ、モミ、カラマツ、オーストリアクロマツなどが森林限界まで広がっている。標高の高い地帯では、エーデルワイスやリンドウ、サクラソウ、キンポウゲ、トリカブトといった高山植物が、わずかな期間だけ、かれんな花をさかせている。

野生動物は少ないが、シャモア、シカ、マーモットがみられる。かつては多数いたクマは、今日ではほぼ絶滅した。狩猟は、残存する種を保護するためにきびしく制限されている。

鉱物資源では、鉄鉱石、褐炭、マグネサイト、石油、天然ガスの埋蔵量が多く、黒鉛は高品質で世界有数の供給地でもある。量は少ないながらも、瀝青炭をはじめとして、鉛、亜鉛、銅などが産出される。