| 酵素 | 項目ビュー | ||||
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| II. | 酵素の性質 |
| 1. | 基質特異性 |
酵素が作用する物質を、その酵素の基質という。1つの酵素は原則として1つの基質に対してはたらく。これを基質特異性という。酵素はタンパク質の巨大な分子で、反応はこの分子の中の活性中心という部分でおこなわれるが、基質特異性は酵素のこの構造によるものである。タンパク質が主成分である酵素は、たくさんのアミノ酸がくっつきあって複雑な立体構造をつくっている。その立体構造の中に活性中心があり、基質がむすびつくと反応がおこる。
なお、一部の酵素には、補酵素という物質とむすびつかないと触媒としてはたらかないものがある。また、一部の酵素はマグネシウム、亜鉛、マンガン、鉄などの金属イオンをふくんでいる。
| 2. | 最適温度 |
酵素がはたらくための最適温度は種類によってことなるが、だいたい35~40°Cである。したがって、人間の体温は酵素の働きに適している。最適温度までは、温度が高いほど酵素はよくはたらき、最適温度をこえると、タンパク質の立体構造が変化しはじめ、反応速度はおそくなる。さらに温度が高くなりすぎると、立体構造はこわれて酵素ははたらかなくなる。
| 3. | 最適pH |
酵素反応は、周りの水素イオン濃度(pH)によっても影響をうける。最適pHは酵素の種類によってことなり、たとえば、胃液にふくまれるペプシンはpH2のような強い酸性条件下でもっともよくはたらく(pH7が中性である)。
| 4. | 酵素の働きの調節 |
酵素の働きは、温度やpHのほかに、いくつかの要因によって調節される。まず、化学反応によってつくられた物質が酵素の働きをおさえるという仕組みがある。また、酵素の中には、活性中心とはことなる場所に、基質以外の物質とむすびつく部分がある。そこにある種の物質(薬物など)が結合すると、活性中心の構造が変化して、活性を低下させたり高くしたりする。
さらに、基質そのものが調節因子としてはたらく場合もある。酵素反応は、酵素が基質とむすびつかないとすすまない。酵素がたくさんあっても、基質が少ないとわずかな反応しかおこらない。酵素によっては、基質が一定量に達しないとはたらかないものもある。いっぽう、かぎられた酵素に対して基質が多いと、反応速度は最大に達したあと、そのまま一定になる。
| 5. | リン酸化 |
酵素の活性は、リン酸化によっても調節される。プロテインキナーゼ(タンパク質リン酸化酵素)によって酵素がリン酸化されると、活性型になる。つまり、ほかの酵素によってある酵素の活性が調節されている。