| 検索ビュー | ソーダ | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
曹達という漢字があてられることもある。ナトリウム成分あるいは、苛性(かせい)ソーダ(水酸化ナトリウム)など種々のナトリウム化合物のことで、とくに炭酸ナトリウムNa2CO3と炭酸水素ナトリウムNaHCO3をいう。
| II. | 苛性ソーダ |
化学でいう水酸化ナトリウム(NaOH)のことで、工業でつかう場合に苛性ソーダ(カセイソーダと記述することもある)という。強いアルカリで、苛性というのは、はげしい反応をおこすという意味で、金属や皮膚を腐食するところからつけられた名称。
| 1. | 性質 |
密度2.13g/cm³、純粋なものの融点は320°Cだが、実際には炭酸塩と水をふくんでしまうので318.4°C、沸点は1390°C。空気中に放置すると、水蒸気を吸収して溶解する。この性質を潮解性(→ 潮解)という。空気中の二酸化炭素を吸着して炭酸塩に変化する。水に溶解するときに熱を発生する。
| 2. | 製法 |
古い時代には、水酸化カルシウムと炭酸ナトリウムを反応させてつくっていたが、電気化学が発展してからは、海水(塩化ナトリウムの水溶液)を電気分解し、水素と塩素をともに製造するようになった。かつては、電極として陰極に水銀、陽極に黒鉛をつかう水銀法によって電気分解していたが、公害の懸念から現在では隔膜法という電気分解にかわっている。この方法では、陰極に鉄などの電極をつかい、陰極と陽極の間にセラミックなどの隔膜をおいて、水酸化ナトリウムと塩素が反応して次亜塩素酸ナトリウムや塩素酸ナトリウムができるのをふせぐ。
| 3. | 用途 |
苛性ソーダは、油脂と反応させて石鹸とグリセリンを製造するほか、ガラス、繊維、製紙(→ 紙)、化学工業では広くつかわれる基礎原料である。化学工業のうちソーダ工業という場合は、苛性ソーダや炭酸ナトリウムなどによる製品を主力とした産業分野をいう。
| III. | 炭酸ナトリウム |
炭酸ナトリウムは密度2.553g/cm³、融点851°C、強アルカリ性の無色あるいは白色粉末である。天然には塩湖とよばれる内陸湖の水にとけている。岩塩鉱床にも存在する。炭酸ナトリウムは数種の水和形態で製造され、おもなものに洗濯ソーダまたは結晶ソーダとよばれる10水和物Na2CO3・10H2O、結晶炭酸塩とよばれる1水和物Na2CO3・H2Oがある。
| 1. | ソルベー法 |
炭酸ナトリウムは古くは海草の灰からつくられ、ソーダ灰とよばれた。フランスの化学者N.ルブランが塩化ナトリウム(塩)NaClから製造するルブラン法を考案してから、大規模に製造されるようになった。さらに、コークスの製造で副生成物としてえられるアンモニアを利用しようとこころみたベルギーの化学者E.ソルベーは、ルブラン法にかわる安価なソルベー法を発明した。
ソルベー法では、塩化ナトリウムをアンモニアガスで処理したのちに二酸化炭素と反応させ、重炭酸ナトリウムNaHCO3と塩化アンモニウムNH4Clをえる。重炭酸ナトリウムの沈殿を塩化アンモニウム溶液から濾過し、加熱乾燥して炭酸ナトリウムをえる。しかし、ソルベー法などの合成法よりも塩湖などの天然源から炭酸ナトリウムをえる傾向が強まっている。
炭酸ナトリウムはガラスやセラミックの製造、製紙用木材のパルプ化(→ 紙)、石鹸の製造などにもちいられる。石油精製や硬水軟化剤、洗浄用化合物中の洗浄剤および脱脂剤などの製造、また、水酸化ナトリウムなど、ほかのナトリウム化合物の製造にももちいられる。
| IV. | 炭酸水素ナトリウム |
炭酸水素ナトリウムは重炭酸ナトリウム、重曹ともよばれ、密度2.20g/cm³の無色あるいは白色粉末である。空気中で55°C以上に加熱すると分解し、二酸化炭素と水をうしなって炭酸ナトリウムになる。ベーキングパウダーの主成分であり、消火器の二酸化炭素源としてももちいられる。医療分野では胃内の酸を中和するためにもちいられるが、発生する二酸化炭素ガスが胃粘膜を刺激するので、症状によってはこのましくない。工業では炭酸ナトリウムのアルカリ度を緩和するためにもちいられる。天然には多くの鉱泉に存在し、炭酸ナトリウムを水と二酸化炭素で処理することにより製造される。
→ アルカリ