石油
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石油
II. 石油の成因

石油はカンブリア紀以降の地層、主として古生代の石炭紀、中生代の白亜紀、新生代の第三紀に属するさまざまな地質時代の地層から産出する。だが、その約60%は、2億4500万~6500万年前の中生代とよばれる時代の地層からのものである。石油が何からどのようにできたかについては、19世紀初め以来、有機(生物)起源説と無機(非生物)起源説とが対立してきた。

当初有力だった無機起源説は、たとえば炭酸ガス(二酸化炭素)とアルカリ金属の接触、カーバイドと水との反応など、地下の無機化合物が石油の成因だというものだが、現在では多くの反証があり、否定されている。一方、有機起源説は動植物を石油の起源と考えるもので、その決め手のひとつは、生物のヘモグロビンや葉緑素(クロロフィル)の誘導体であるポルフィリン類、コレステリン、カロテン(カロチンとも)、テルペンの誘導体などのように光学活性をもつ生物由来の有機化合物が微量ながら石油の中にふくまれていることである。

現在もっとも有力な有機起源説は、古代の海生動植物、とくに熱帯の海に生息していたプランクトンや藻類などの死骸(しがい)が海岸線に近い海底に土砂とともに堆積(たいせき)し、これが石油のおもな成因となったとする考え方である。この説によれば、まず堆積物にふくまれる有機化合物中の酸素が嫌気性細菌の作用で除去され、石油質の母体を形成した。これが地中層に浸透して、地熱、地圧、地下鉱物の触媒作用(触媒)などによってしだいに石油に変化したのち、地中層を移動して岩石化した油母頁岩(オイルシェール:頁岩)中に集積し、今日の石油鉱床を形成したとされる。