植民地と植民地主義
印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。
植民地と植民地主義
I. プロローグ

住民がいるといないとにかかわらず、それまでその土地に無関係だった人間ないし国が占領や移住によって獲得した土地を植民地とよび、その土地には他国の支配がおよぶことになる。また、ある国民や政府が主権を拡大し、他国の人間や領土を政治的に支配したとき、植民地関係が生じる。この関係は、支配の対象になった国民が、完全に自治を獲得するか、対等な立場で宗主国の政治構造に融合したときに終了する。

現代、とくに第2次世界大戦後の植民地主義は、はげしい道徳的・政治的な議論の対象となっている。一部の政府は過去につくりあげた植民地制度の正当性を主張しているが、旧植民地側の多くはそれを大国がおしつけた搾取のシステムであり、経済発展の遅れ、民族的対立、住民不安の原因になっていると指摘している。

歴史的にみると、植民地関係にはさまざまなかたちがあった。宗主国の国民が大量に移住した植民地もあり、まったく移住がなされなかった植民地もある。また、宗主国の厳密な監視があった所もあれば、ゆるやかな非公式支配しかおこなわれなかった地域もある。海をこえた植民地もあれば、宗主国と境界を接した所につくられた植民地もあった。