植民地と植民地主義
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植民地と植民地主義
II. 地中海貿易と植民地

植民地主義は古代からあり、当時、大陸的規模で支配していた帝国としては、エジプト、バビロニア、ペルシャが有名である。もっとも古く植民地をつくったと一般にみとめられているフェニキア人は、前1100年から地中海沿岸に植民地を建設している。フェニキア人の植民活動は、貿易の拡大と支配が大きな動機だった。

前8世紀ごろから、ギリシャの都市国家の多くがエーゲ海北部や黒海、南イタリアの沿岸にそって急速に領土を拡大していた。ギリシャ人の意図は、耕作可能な土地が不足し、ふえつづける人口の食糧を外でまかなうこと、また交易を容易にすることにあった。ギリシャのもっとも有名な都市国家であるスパルタとアテネは、前6~前5世紀に植民地大国となり、前者はギリシャ本土、後者は海外に植民地を建設した。

現在のチュニジアにあたるカルタゴは、フェニキア人の植民地として建設されたが、のちにはそれ自体が強大な国家となった。地中海交易の支配に利害のあったカルタゴ人は、スペインからシチリア西部の植民地をふくむ海洋帝国をきずきあげたが、結局は、ポエニ戦争(前3~前2世紀)によってローマにほろぼされた。それ以後、数世紀にわたってヨーロッパの多くと中東を支配したのはローマ人だった。

後5世紀にローマ帝国が崩壊すると、中世の幕があいた。中世、海外の植民地活動は盛んではなかった。それでも、9~11世紀には、スカンディナビアのバイキングが支配地域を拡大し、イギリス諸島の大部分を手中におさめて、アイスランドとグリーンランドに植民地を建設した。

近代ヨーロッパの植民地主義は15世紀にさかのぼり、重複はあるものの、大きく2つの段階にわけることができる。第1期は、1415年のポルトガルのモロッコ占領から1800年ごろまで、第2期は1800年ごろから第2次世界大戦までである。第1期では、スペインとポルトガルを中心とする西ヨーロッパが、東インド諸島と南北アメリカ大陸に進出し、第2期ではイギリスを先頭とするヨーロッパ諸国が、アジア、アフリカ、太平洋地域に勢力を拡大した。