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| II. | 性質 |
炭素の3種の同素体は融点の高い固体で、常温では、どのような溶媒にもとけない。これらの3種の同素体は結晶構造がことなるため、物理的な性質もかなりことなる。これまで知られている物質のうちでもっとも硬いダイヤモンドは、1個の炭素原子が他の4個の炭素原子と3次元的にしっかり結合しているが、黒鉛は六角形に配置された原子の平面層が弱く結合している。無定形炭素は結晶化度がひじょうに低い。純粋な無定形炭素は、空気をたって精製糖を900°Cに熱するとえられる。
炭素の特性は他の炭素原子と結合して複雑な鎖状と環状の化合物をつくることである。この特性により、ほぼ無限数の炭素化合物がつくられる。その中でもよく知られているのが、炭素と水素の化合物である。炭素化合物は、19世紀初頭に生体、つまり有機体中ではじめ確認され、このことから炭素化合物を研究する分野を「有機」化学とよぶようになった。→ 有機化学
常温では、炭素は反応性が弱い。高温で、ほとんどの金属と直接反応して炭化物を生じ、酸素と反応して一酸化炭素COと二酸化炭素CO2を生じる。コークスのかたちの炭素は、金属酸化物鉱石(→ 酸化物)から酸素をとりのぞいて純金属をえるのにもちいられる。炭素はほとんどの非金属元素とも化合物をつくるが、中には四塩化炭素CCl4などのように、間接的にしかつくられないものもある。