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| IV. | 爆薬 |
爆薬には、トリニトロトルエン(TNT)のように衝撃や摩擦に対しても安定で、比較的安全にとりあつかえ、保存、使用できるものもある。だが、ニトログリセリンやピクリン酸(下瀬火薬)のようにひじょうに鋭敏で、ほとんどの場合不活性な安定剤と混合して使用されるものもある。のぞましい性質をもった爆薬をえるために、性質のちがった爆薬を混合することが多い。
第1次世界大戦ではピクリン酸やTNTがよくつかわれたが、第2次世界大戦後に、ひじょうに威力の大きい新型の爆薬が数多く開発された。とりわけ重要なのがシクロトリメチレントリニトラミンとペンタエリトリトールテトラニトラートである。
シクロトリメチレントリニトラミンは、シクロナイトともよばれ、RDXと略され、雷管に使用される。RDXとTNTとワックスとの混合物はコンポジションBとよばれ、爆弾などの炸薬として使用される。アルミニウムをふくんだ、トルペックスとよばれる同様の混合物の水中での威力は、TNTよりも約50%大きい。シクロナイトと爆発性可塑剤をふくむプラスチック結合爆薬は、破壊用爆薬として使用される。
ペンタエリトリトールテトラニトラートはペントリットともよばれ、PETNと略される。シクロナイトと同様な性質をもち、TNTと混合してペントライトという爆薬がつくられる。PETNは用途がひろく、導爆線の心薬、伝爆薬、各種の軍用弾薬に使用される。
1950年代には、2つの新しい型の爆薬が登場し、ダイナマイトにかわってひろく利用されるようになった。そのひとつは、硝酸アンモニウムと軽油とを混合した、硝安油剤爆薬あるいはANFO(アンホ)爆薬とよばれるもので、TNTより25%大きな威力をもち、発破用に使用される。もうひとつは、硝酸アンモニウムに硝酸ナトリウムや水などをくわえたもので、含水爆薬あるいはスラリー爆薬とよばれ、ANFOの伝爆薬に使用される。