| 日本美術 | 項目ビュー | ||||
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| I. | プロローグ |
日本の美術は長い期間にわたって大陸の美術の影響をうけつづけてきた。大陸の先進的な技法や様式は最初は模倣のかたちで受容され、しだいにそれは緩やかに同化変容されていく。この過程のうちにこそ日本美術のオリジナリティがある。
日本美術の中に形成されていった性格のひとつに観念的世界よりも感覚の美を愛好する精神があり、それはしばしば装飾する意思とむすびつく。しかし最大の特質は自然の中に心を投影し、そこに抒情をみいだす繊細な感性であろう。日本人にとって自然は人間と対立し、人間が征服する対象であるよりも、むしろ親和する対象であった。日本の美術家たちは自然の美を貴重な糧とし、そこへたちかえっていく。日本美術の中に自然をモティーフにして装飾性と抒情性とがみごとに融合した例をみつけだすことは、そうむずかしいことではない。絵画と工芸のジャンルの中にそれはとくに鮮やかである。