| 検索ビュー | 陽子 | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
電子のもつ負の電荷と大きさが同じ正の電荷をもつ粒子で、中性子とともに原子核を構成する。陽子と中性子は核子ともよばれる。陽子だけで水素の原子核となっている。陽子の質量は電子の約1836倍の1.6726 × 10-24gである。したがって原子核の質量はほとんどが核子によるものである。
陽子は固有の角運動量、つまりスピンをもっており、したがって磁気モーメントをもっている。陽子は、1つの量子状態に1個の電子しかはいれないという排他原理にしたがうので、原子核の中にある陽子の数は元素が何であるかをきめるものとなる。この陽子の数をあらわしたものが元素の原子番号である。核物理学では、陽子は、大型加速器で原子核に衝突させられて基礎粒子をつくりだす役割をする(→ 加速器)。陽子は化学においても、水素イオンとして重要な役割をはたす(→ 化学反応:イオン)。
| II. | 反陽子 |
陽子の反粒子である反陽子は、陰陽子ともよばれる。それは、陽子とは逆に負の電荷をもち、原子核の構成要素ではない。反陽子は真空中で安定であり、自然崩壊はしない。しかし、陽子や中性子と衝突すると、きわめて半減期の短い中間子に転換される(→ 放射能)。物理学者は反陽子の存在を1930年代から予測していたが、55年になって初めてカリフォルニア放射線研究所において存在が確認された。
| III. | 陽子の崩壊 |
陽子は通常の物質の不可欠な構成要素なので、当然、安定している。それなら陽子は、何億年、何兆年たっても崩壊しないのだろうか。こうした問いかけは、物質の4つの相互作用を1つの理論に統一しようという大統一理論の試みからきている。統一場理論の多くは、陽子も究極的には不安定であることを予言しており、陽子の崩壊を検出しようと研究がすすめられている。しかしこれまでのところ、確証はえられていない。