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穀物

種子を食料とするために栽培される作物。英語のcereal(穀物)は、ローマ神話の穀物と農耕の女神ケレス(Ceres)に由来している。穀物になる種はイネ科に多いが、厳密な意味でイネ科植物のある特定のグループに属しているものでなく、次のような利点のある植物がえらばれたと思われる。すなわち、種子が大きくて、じゅうぶんな量を容易に生産できること、食べられない殻を比較的容易にとりのぞきやすいなどである。

もっとも盛んに栽培されている穀物は、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、イネ、トウモロコシ、いくつかの種類のキビ、アズキモロコシとよばれるモロコシである。これらはすべて古代から栽培されてきた。トウモロコシは唯一アメリカに起源をもち、ほかの穀物はヨーロッパ、アジア、アフリカでの栽培歴が長い。

日本で古くから「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」といわれている五穀とは、イネ、ムギ、アワ、マメ、ヒエ(またはキビ)をいう。マメはダイズ、アズキ、エンドウ、インゲンマメ(いずれもマメ科)などをさし、イネ科の植物ではないが、穀物と同じ重要さから五穀のひとつにいれられた。また、タデ科のソバも穀物にふくまれていた。穀物は主食、副食として食用になるほか、加工してデンプンをとったり、発酵させて酒や調味料にする。また家畜の飼料としての役割も大きい。

中国では、一定せず、麻や胡麻(ごま)、ダイズ、アズキ、稷(しょく:キビ、アワ、コーリャンなどの諸説がある)とイネ、ムギなどからなっていた。